| 年齡 | 60代 |
|---|---|
| ご相談者様の状況 | 相続人本人 |
| 遺産の種類 | 不動産・現金・預貯金 |
| ご相談分野 | 遺留分侵害額請求 |
| 担当弁護士 | 松﨑 洋二 |
| 解決までの期間 | 約2年9ヵ月 |
ご相談時のご状況
母親が亡くなった後、相談者は弟から「母親が自分の娘に財産を譲りたいと言っていたため、自分がいったん財産を相続することになった」と説明を受け、公正証書遺言を見せられました。
相談者は、それまで母親が遺言書を作成していたことを知らされておらず、突然遺言書の存在を知らされたことに加え、弟から「遺留分を請求できる期間は1年なので、もう時効になっている」と言われたため、自分には本当に何も請求することができないのか疑問を持ち、ご相談に来られました。
また、母親には生前から認知症の症状があり、長期間施設に入所していたことから、そもそも遺言書を作成した当時、遺言をする能力があったのかについても疑問をお持ちでした。
さらに、母親の介護や施設費用について弟が負担していたとして、「自分が遺産を多く取得する理由になる」と弟から説明されていたため、その点についても確認する必要がありました。
相談者としては、単に金銭を受け取りたいというだけではなく、自分にも法律上認められた相続上の権利があるのであれば、それをきちんと確認したいというお気持ちをお持ちでした。
解決に向けた当事務所のアドバイス・対応
まず、公正証書遺言の内容を確認し、遺言の効力や遺留分について検討しました。
そのうえで、戸籍や不動産、預貯金、生命保険などを調査し、相続財産の全体像を確認しました。また、弟が負担した施設費用等についても内容を確認し、遺留分への影響を検討しました。
さらに、「遺留分は時効になっている」という相手方の主張について、遺言書を知った時期などを確認したうえで検討しました。
その後、遺留分侵害額請求調停を申し立て、不動産の評価や相続財産、特別受益等について協議を重ねました。
最終的に、遺留分侵害額として250万円を支払う内容で調停が成立し、相談者名義の通帳や保険証書も返還されました。
解決にあたってのポイント
相手方から「遺留分はもう時効になっている」と説明されていたものの、遺言書の存在をいつ知ったのかなど、具体的な事情を確認したうえで、遺留分に関する権利が残っているかを検討しました。
相続では、相手方から説明された内容が必ずしも法律上正しいとは限りません。「もう請求できない」と言われた場合でも、弁護士に相談して確認することが重要です。
また、不動産だけでなく、預貯金や生命保険、過去の財産の移動などについても確認しました。
相続では、遺言書に記載された財産だけを確認して終わりにするのではなく、本来の遺産がどの程度あるのかを調査したうえで、遺留分を計算することが重要です。
弟が母親の施設費用等を負担していたことについても、その内容を確認し、遺産や遺留分の計算にどのように反映されるのかを検討しました。
相続人の一方が被相続人の介護や費用負担をしていた場合、遺産分割や遺留分の計算に影響する可能性があります。そのため、相手方の主張をそのまま受け入れるのではなく、具体的な資料に基づいて整理することが重要です。