| 年齡 | 60代 |
|---|---|
| ご相談者様の状況 | その他 |
| 遺産の種類 | 現金・預貯金 |
| ご相談分野 | 法定後見人・任意後見監督人選任申立 |
| 担当弁護士 | 所属弁護士 |
| 解決までの期間 | 約3年 |
ご相談時のご状況
ご依頼者様の奥様は、相続人の一人として遺産分割協議を進める予定でした。
しかし、その後、奥様が認知症を患い、ご自身で遺産分割協議の内容を理解したり、財産に関する判断を行ったりすることが難しい状況となりました。
遺産分割協議は、相続人全員が内容を理解したうえで合意する必要があるため、認知症により判断能力が低下した状態では、そのまま協議を進めることができません。
そこで、奥様に代わって適切に相続手続きを進めるため、成年後見制度の利用についてご相談いただきました。
解決に向けた当事務所のアドバイス・対応
当事務所では、奥様の判断能力の状況を踏まえ、成年後見制度を利用して遺産分割協議を進める方法をご提案しました。
ご依頼者様は、これまで奥様の身の回りの世話や生活面でのサポートを行っていたことから、ご依頼者様を成年後見人候補者として成年後見開始の申立てを行いました。
一方で、今回の遺産分割によって奥様が相当額の遺産を取得する可能性があったため、成年後見人となった後、ご依頼者様のみで奥様の財産を適切に管理できる体制を整えられるかという点が重要でした。
そのため、裁判所での面談において、成年後見人の役割や本人財産の管理方法、裁判所への報告義務などについて丁寧に説明を行い、成年後見制度について十分に理解していただきました。
また、財産管理の適正性を確保するため、専門家を後見人補助者として関与させる体制を整えました。
これにより、ご依頼者様が奥様の生活を支えながら、専門家のサポートを受けて適切に財産管理や相続手続きを進めることができる環境を整えることができました。
解決にあたってのポイント
相続人の中に認知症などにより判断能力が低下した方がいる場合、その方を除いて遺産分割協議を進めることはできません。
このような場合には、成年後見制度を利用し、成年後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加することで、相続手続きを進めることが可能になります。
もっとも、成年後見人は単に遺産分割協議を行うだけではなく、本人の利益を守る立場として、取得した財産を適切に管理していく必要があります。
特に、遺産分割によって本人が多額の財産を取得するケースでは、成年後見人の選任後の財産管理体制についても慎重に検討することが重要です。
本件では、ご依頼者様がこれまで奥様を支えてきた事情を踏まえながら、専門家によるサポート体制を整えることで、奥様の利益を守りつつ、円滑に相続手続きを進めることができました。
認知症の相続人がいる場合、遺産分割協議の進め方や成年後見制度の利用について、早めに専門家へ相談することが大切です。