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【弁護士が解説】エンディングノートには何を書く?書くこと・準備するもの・書き方の注意点

2026.06.24

エンディングノートを作りたいと思っても、何から書き始めればよいのか迷う方も多いと思います。エンディングノートは、ご自身の情報や想いを整理し、家族や大切な人に伝えるためのものです。本記事では、エンディングノートに書くことや作成時のポイントを弁護士が解説します。

第1章 エンディングノートは何のために作るものか

1-1 エンディングノートは家族に必要な情報を残すためのもの

エンディングノートは、自分に万が一のことがあったときに、家族が困らないよう情報を残すためのものです。
預貯金や保険の情報、重要書類の保管場所、かかりつけ医、葬儀の希望などを整理しておくことで、家族が必要な情報にたどり着きやすくなります。

実際の相続や入院、介護の場面では、家族が本人の資産状況や意向を十分に知らされておらず、対応に戸惑うことが少なくありません。エンディングノートは、そうした負担を軽くするための情報整理として役立ちます。

1-2 エンディングノートと遺言書は役割が違う

エンディングノートは、家族に伝えたい希望や情報をまとめるものです。
一方、遺言書は、法律上の要件を満たして作成することで、財産の承継について法的な効力を持たせる書面です。
そのため、エンディングノートに財産の分け方を書いても、それだけで当然に遺言書と同じ効力が生じるわけではありません。たとえば、自宅を誰に相続させたい、預貯金を誰に残したいといった希望がある場合は、遺言書の作成も併せて検討する必要があります。

第2章 エンディングノートに書くこと

2-1 まずは自分の情報を把握し、整理することから始める

エンディングノートを書く際に、最初から文章を整えようとする必要はありません。
まずは、自分に関する情報を把握し、家族に共有した方がよい内容を整理することから始めます。
このとき、書くべき項目が多岐にわたるため、一般的なひな形を使い、項目に沿って書いていくと整理しやすくなります。
エンディングノートのひな形については、このあと第4章で確認します。

2-2 本人情報|プロフィール・身分証明書

エンディングノートで最初に整理したいのは、自分自身の基本情報です。
生年月日、本籍、メールアドレスなどをまとめて書きます。
あわせて、健康保険証、運転免許証、マイナンバーカード、年金手帳などについて、必要な情報や保管場所を整理しておくとよいでしょう。もっとも、万一、不要な第三者にエンディングノートを見られた場合に備えて、マイナンバーそのものを記載するのは控えた方がよいといえます。

本人情報は、突然の入院や各種手続の場面で確認が必要になることもあります。
家族が身分証明書や年金関係書類の保管場所を知らないと、必要な書類を探すだけでも時間がかかってしまいます。そのような場面でも、エンディングノートに保管場所や確認すべき情報をまとめておくことで対応しやすくなります。

2-3 家族関係|親族の連絡先・家族関係の整理

次に、家族や親族に関する情報を整理します。
親族の氏名、続柄、電話番号などを一覧にしておくと、入院時や相続発生時に連絡を取りやすくなります。

また、家族関係を家系図にして整理しておくことも有用です。相続では、誰が相続人になるのかを確認する必要があるためです。
もちろん、エンディングノートに書いた家族関係だけで、法律上の相続人が確定するわけではありません。実際には戸籍を確認する必要がありますが、それでも、家族関係を整理しておくことは相続人調査や専門家への相談を進める際の手がかりになります。

2-4 財産と生活情報|預貯金・不動産・保険・借入金

エンディングノートに書くことの中でも、特に重要なのが、財産情報です。
預貯金、証券口座、不動産、年金、保険、クレジットカードなどの情報を整理しておきましょう。相続手続で家族が困りやすいのは、財産の金額そのものよりも、どこにどのような財産があるか分からないことです。
預貯金であれば金融機関名と支店名、不動産であれば所在地、保険であれば保険会社名と証券番号など、調査の手がかりになる情報を書いておくとよいでしょう。

また、ローンや借入金も忘れずに記載します。相続では、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も問題になります。家族が知らない借入れや保証があると、相続放棄を検討すべきかどうかの判断にも影響します。

さらに、電気や水道などの公共料金、携帯電話などの通信費、保険料やカード利用料など、毎月の支払いがどの口座から引き落とされているかを書いておくと変更手続がしやすくなります。クレジットカードや電子マネーなどの引き落としの契約も記載しておきましょう。

2-5 介護・医療の希望|介護方針・医療方針・終末期の希望

介護や医療に関する希望も、エンディングノートに書いておきたい内容です。
介護が必要になった場合に、自宅での介護を希望するのか、施設入所も検討してよいのか、介護費用をどの財産から支払ってほしいのかなどを整理します。
ケアマネージャーやヘルパーなど、すでに関わっている人がいる場合は、氏名、所属先、連絡先を書いておくとよいでしょう。

医療については、延命治療をどう考えるか、終末期の医療方針についての希望などを書いておくことも考えられます。ただし、実際の医療判断は、そのときの病状や医師の説明を踏まえて行われます。エンディングノートは、家族がご自身の考えを知るための参考資料として位置づけるとよいでしょう。

2-6 葬儀・お墓の希望|葬儀形式・納骨先・供養の考え方

葬儀やお墓についても、希望があれば書いておきましょう。
葬儀であれば、葬儀の形式、通夜や告別式を行うか、葬儀費用の準備方法など、お墓については現在のお墓の有無や納骨先の希望、供養や法要の希望などがあればそれを書き残しておけると良いでしょう。
特に葬儀についてはご家族が短時間で手配をしなければならないことも多いため、生前の希望が分かるということがご家族の判断材料としても役立てられます。

2-7 遺言・相続の情報|遺言書の有無・保管場所・相談先

遺言書を作成している場合は、遺言書が存在していること、作成日や保管場所を記載しておきましょう。

また、遺言執行者を指定している場合や、弁護士・税理士・司法書士などに相談している場合は、その連絡先も書いておくとよいでしょう。

2-8 大切な人への連絡事項|連絡してほしい人・メッセージ

最後に、家族や友人など、大切な人への連絡事項を書きます。
親族だけでなく、友人、知人、勤務先、地域の関係者など、入院時や葬儀の際に連絡してほしい人がいれば整理しておきます。
家族がすべての交友関係を把握しているとは限りません。連絡先が残っていることで、伝えるべき人に連絡しやすくなります。

第3章 エンディングノートを書くときのポイント

3-1 最初から完璧に書こうとしなくてよい

エンディングノートは、最初からすべての項目を埋める必要はありません。
まずは、重要書類の保管場所、預貯金や保険の一覧など、整理しやすい情報をまとめるところから始めましょう。
あとから内容を追加したり、修正したりしても構いません。エンディングノートは、一度で完成させるものではなく、少しずつ整えていくものと考えると進めやすくなります。

3-2 家族が見つけられる場所に保管する

エンディングノートは、必要なときに家族が見つけられる状態でなければ活用できません。ただし、財産情報や個人情報が含まれるため、誰でも見られる場所に置くのは推奨されません。
保管場所を十分検討し、家族の誰にその場所を共有しておくかも含めて準備しましょう。

3-3 暗証番号やパスワードをそのまま書かない

エンディングノートには、金融機関や使用しているネットサービスの情報を書くことがありますが、関連する暗証番号やパスワードをそのまま記載することは推奨されません。
万が一、エンディングノートを第三者に見られた場合に、不正利用や個人情報の漏えいにつながるおそれがあるためです。暗証番号やパスワードは、エンディングノートとは別の方法での管理を検討しましょう。

3-4 年に1回は内容を見直す

エンディングノートは、一度作ったら終わりではありません。
たとえば、保険や医療の状況、利用しているサービスなど、記載した情報の中には時間の経過とともに変わるものもあります。古い情報のまま記録を残しておくと、かえって家族が混乱してしまいます。
年に1回、誕生日や年末などのタイミングで見直すとよいでしょう。その際、見直した日付も記録しておくと、家族が情報の新しさを確認しやすくなります。

第4章 エンディングノートはテンプレートを使うと書きやすい

4-1 白紙から作ると、何を書くべきか分からなくなりやすい

エンディングノートを白紙から作ろうとすると、何をどう書くべきか迷ってしまい、手が進まなくなることがあります。
あらかじめ書く項目が整理されたテンプレート(ひな形)を使うと、確認すべき内容を順番に整理しやすくなります。

4-2 相続対策まで考える場合は専門家に確認する

財産の分け方を確実に決めたい場合や、相続税対策、不動産の相続登記などを見据える必要がある場合は、エンディングノートだけでは対策が足りないことがあります。
特に、不動産が多い場合や相続人同士の関係に不安がある場合、借入金や保証債務がある場合などには、弁護士や税理士などの専門家に確認しておく方が安心です。
エンディングノートで情報を整理したうえで、遺言書の作成や、将来の財産管理に備える任意後見、家族信託なども含めて相談してみましょう。

第5章 まずはご自身のエンディングノートを書いてみましょう

エンディングノートは、まずは分かるところから書いてみることが大切です。財産や借入金の情報、介護・医療の希望、葬儀やお墓のことなどを整理しておくことで、いざというときにご家族が確認すべき情報にたどり着きやすくなります。また、本人の考えが残っていれば、ご家族が迷いながら判断しなければならない場面でも、本人の希望を踏まえて対応しやすくなります。
初めてエンディングノートを書く際は、相続分野に取り組む弁護士・税理士などの専門家が関与して作成した、私たちNexill&Partners(ネクシル&パートナーズ)のエンディングノートのひな形も参考にしてみてください。エンディングノートを作成する中で、相続について専門的な判断が必要になりそうな場合も、どうぞお気軽にご相談ください。

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監修者:松﨑 洋二
弁護士松﨑 洋二

弁護士法人Nexill&Partners

弁護士松﨑 洋二

  • 2015年3月
    私立九州学院高等学校 卒業
  • 2015年4月
    福岡大学法学部 法律学科 入学
  • 2018年3月
    福岡大学法学部 法律学科 早期卒業
  • 2018年4月
    福岡大学法科大学院 入学
  • 2021年3月
    福岡大学法科大学院 修了
  • 2025年4月
    弁護士法人Nexill&Partners 入所

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