| 年齡 | 60代 |
|---|---|
| ご相談者様の状況 | 相続人本人 |
| 遺産の種類 | 不動産・上場株・現金・預貯金 |
| ご相談分野 | 相続手続/相続登記/遺産分割 |
| 担当弁護士 | 所属弁護士 |
| 解決までの期間 | 約1年 |
ご相談時のご状況
ご相談者様は、令和5年2月にご主人を亡くされ、相続手続きについてご相談に来られました。
相続人は、
- 前妻とのお子様2名
- ご相談者様(現妻)
の計3名でした。
既に相続税申告については別の税理士に依頼済みであり、一定の財産整理は進んでいる状況でしたが、遺産分割については未了でした。
遺言書は存在していたものの、
- 一部の記載内容が不明確
- 不動産(自宅)についてはご相談者様へ移転する旨の記載があるものの、それ以外の財産の分け方が曖昧
といった問題がありました。
さらに、相手方(前妻のお子様側)からは、遺言書の内容とは異なる分割方法の提案がなされており、遺言の解釈や有効性を巡って紛争に発展する可能性もある状況でした。
加えて、相手方も弁護士を選任しており、当事者間での直接協議は困難な状態でした。
解決に向けた当事務所のアドバイス・対応
当事務所では、まず本件について、遺言書の有効性や解釈を争う場合には、時間・費用ともに大きな負担となる可能性があることをご説明しました。
そのうえで、
- 遺言書の内容をベースにしつつも、協議による柔軟な解決を目指すこと
- 相手方の提案内容も踏まえ、双方が納得できる着地点を探ること
を方針として、遺産分割協議による解決をご提案しました。
具体的には、相手方代理人(弁護士)との間で、財産の内容・評価・分配方法について複数回の協議を実施し、法的な妥当性と実務上のバランスの双方を考慮した調整を行いました。
その結果、双方が納得できる内容で合意に至り、当事務所にて遺産分割協議書を作成しました。
また、協議成立後は、
- 不動産の相続登記手続き
についても併せてサポートし、手続きを完了させました。
解決にあたってのポイント
本件のポイントは以下の3点です。
① 遺言書に不明確な点がある場合の対応
遺言書が存在していても、内容が不明確な場合には紛争の火種となります。
本件では、遺言の解釈を争うのではなく、協議による解決へ方針転換したことが早期解決につながりました。
② 弁護士同士での冷静な交渉
相手方も弁護士を選任していたため、感情的な対立を避け、法的観点に基づいた冷静な協議が可能となり、合理的な合意形成が実現しました。
③ 紛争化リスクとコストのバランス判断
遺言無効等を主張すれば有利な結果となる可能性もありましたが、時間・費用・精神的負担を総合的に考慮し、現実的な解決を選択したことが重要でした。
本件のように、「遺言書があるものの内容に疑義がある相続」についても、交渉の進め方次第で、訴訟に至ることなく円満な解決が可能です。