「遺品整理」という言葉を聞いたことがありますか?
今回は「遺品整理」について詳しくご説明したいと思います。
1.遺品整理を行う前に必要な心構え
親や親族の遺品整理はある日突然やってきます。遺品整理を始めようと思っても、突然の故人の死を前に、どのように進めたらいいのか、何をすればいいのか分からない方も多いと思います。必ずしも正解があるわけではありませんが、遺品整理を始める前に必要な心構え等をご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
①所有している不動産の権利書、賃貸物件の場合は契約書、実印や保険証書、通帳などの重要な書類を探す
②エンディングノートがあれば、故人の意向に沿う
③手元に置いておきたい思い出の品を残す
④必要なもの、不要なものを選別する
⑤思い出に浸りすぎると時間がかかってしまうので、割り切る
⑥衣類などは故人の想いが伝わるものを少し残す
⑦手元に残せない思い出のものは写真などに残す
⑧手紙、日記は読まずにまとめておく
⑨親の私的なものは自分が死んだ時に置き換え、子供に見せたいかどうかを考える
⑩自分だけで進めようとせず、頑張りすぎない
上記のうち、①の書類に関しては、様々な手続きをする際に必要になるので必ず見つけなければいけません。通帳や印鑑は比較的すぐに見つかるとは思いますが、権利書や契約書は日頃使うことがないので、なかなか見つからないかもしれません。見つけた場合は、決まった場所に保管しておくことをお勧めします。
また、思い出や悲しみに浸ってしまうとなかなか進まないので、ある程度の割り切りも必要です。自分だけで難しい場合は、近しい人に手伝ってもらいながら進めていきましょう。
2.遺品整理を進める
次に、遺品整理を進めるための作業についてご紹介します。
①片付けを始める前に部屋の状況を把握する
部屋全体には、様々な種類の遺品が残っていますので、その中から、残すもの、廃棄するもの、供養するものなどに分別していきます。これらの作業をするにあたり、部屋全体を見渡すことで、作業量の見通しをたてることができます。 なお、部屋の確認時には、クローゼットの奥や、物置きなども見落としがないよう注意しましょう。
②相続手続きに必要な書類を探す
生命保険証券や保険証、不動産登記事項証明書など必要なものを探し、手続きを進めていくことが必要です。
③ゴミの分別、出し方を調べる
市町村によっては分別方法や出し方が異なるので、分別する前に調べておきましょう。
④分別を始めていく
遺品整理業者は必要なもの、不要なものをまとめるために搬出しやすい場所にスペースを確保し、玄関までの導線となるルートを片付けていきます。
なので、まずリビングから片付けを始め、スペースを確保し、次に、導線までの様々なものを片付けてルートを確保し、最後に各部屋の遺品を分別していくという手順で片づけを進めていくことをお勧めします。
⑤廃棄物を処分
廃棄物の処分は様々な方法があります。
・市町村指定のゴミステーションの回収日に持っていく
・市町村指定の廃棄物処理施設に自分で持っていく
・市町村指定の運搬業者に取りに来てもらう
※取りに来てもらう場合は、市町村指定の一般廃棄物収集運搬業者でなくてはなりません。
⑥リサイクル家電を処分
リサイクル家電は、燃えないゴミではなく、以下の方法で処分する必要があります。
・家電リサイクル券を購入して、指定場所に運ぶ
・売却できそうなものはリサイクルショップに持っていき、買い取ってもらう
⑦部屋の掃除をする
荷物を搬出した後は、掃除をしましょう。
このように遺品整理は時間と労力がかかるので、専門業者に依頼する人が現在増えています。
3.遺品整理業者を見分ける
遺品整理業者も様々ありますので、依頼する場合は、対応の丁寧さなどを見極めるようにしましょう。問い合わせの際は、氏名、住所、連絡先、日程、現場の状況、などを聞いてくることが多いので、スムーズに答えられるように準備しておきましょう。
ここで見分けるポイントをご紹介します。
②氏名から現場の状況までしっかりヒアリングしてくれたか
③作業が完了するまでの手順を説明してくれたか
④見積もりに不審点はないか
⑤どこまで片付ける必要があるのかなどを細かくヒアリングしてくれたか
⑥買取品があるかないかを確認してくれたか
⑦量の確認、対応方法について説明してくれたか
⑧ハウスクリーニングなど、追加で作業があるかを確認してくれたか
⑨当日立ち合いができるかを確認してくれたか
⑩見積書を出してくれるか
見積もりに来てもらう際は、「どこまでやってもらいたいか」などをしっかり伝えることが大切です。
また、業者の身だしなみやマナーなどを確認するのも大事です。
仏壇に手を合わせてくれたかなど見ておきましょう。
4.遺品の中で換金可能なもの
遺品の中には、場合によっては、換金可能な物もありますので、全てを処分するのではなく、一度整理をしてみましょう。なお、換金可能な物としては以下のようなものがあります。
①貴金属
②リサイクル製品
・家電製品
テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、洗濯機、乾燥機、パソコン、エアコン、扇風機、ミシン、カメラなど
・家電製品以外のもの
古着、着物、食器、ぬいぐるみ、人形、絵本、ベビーカー、おもちゃ、自転車、文房具、アクセサリー、バッグ
5.まとめ
以上、遺品整理の方法について簡単にご紹介させていただきました。5年後には4人に1人が高齢者の時代になると言われているので、高齢化社会の今、遺品整理は誰にでもやってくるものです。その際には、本記事を参考にしていただければ幸いです。
次回は遺品整理士が答える一問一答やトラブルを回避する方法などをご紹介します。