1.はじめに
前回は、有価証券が相続財産に含まれているかどうかの調べ方と有価証券が相続財産に含まれているかどうかの調べ方について、説明しました。
前回の記事はこちら:相続財産の中に株や投資信託があったらどうしたら良い?①
今回は、相続税評価額の決定方法、相続税申告後に株式などが発見された場合について説明します。
2.相続税評価額の決定方法について
次に、株や有価証券等の相続の際の相続税評価額の決定方法についてご説明します。これらは、日々価格が変動するものなので、評価が難しいところはありますが、一般的には、下記の通り評価額が決定します。
上場株式の場合
まず、被相続人が死亡した日を基準にして、以下の4つの数値を算出します。
②被相続人の死亡月の最終価格の平均額
③被相続人の死亡前月の最終価格の平均額
④死亡前々月の最終価格の平均額
これらの中で、最も低い価格が評価額となります。
投資信託などの場合
投資信託などは、株式だけではなく債券などもありますので、その評価方法は一概には言えませんが、例えば、相続開始日(被相続人の死亡日)に解約請求・買取請求を行ったとした場合に、支払いを受け取るができる価格が評価額となります。自分で調べて価格が分かるものではなく、証券会社や、信託銀行に問い合わせることで正確な金額は教えてもらうことができます。
3.相続税申告後に株式などが発見された
前述したように、株式等の金融商品は、存在を把握できていないことが多々ある財産なので、相続税申告の際に財産に含めていないというケースも多々存在します。
非相続人の遺産にそういった金融商品は無いと思って遺産分割・相続税納付まで完了した後に、実は遺産として存在していたと発覚した場合はどうなってしまうのでしょうか?
この場合は、計上漏れとなりますので、この分の遺産分割協議や、相続税申告については修正申告を行わなければなりません。そして追加納税が生じます。申告期限を過ぎてしまっている場合は、延滞税が生じてしまうので、申告漏れのないように、最初から徹底的に遺産を調査するのが良いでしょう。
4.まとめ
今回は、株や投資信託などの、目に見えない財産である金融商品の相続についてご説明しました。
あまりなじみが無いと、ついつい相続の際に見落としがちなので、相続財産の中にはこういった金融商品があるということを事前に知っておくと良いでしょう。
また、実際に相続が発生した時に、仕組みが複雑でよくわからないという場合は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。
弁護士法人菰田総合法律事務所
福岡を拠点とした弁護士法人菰田総合法律事務所は、司法書士法人と税理士法人も有した法律事務所です。
相続相談実績は、年間680件以上を誇ります。
相続関連業務の弁護士(代理人)業務だけではなく、相続登記から相続税申告まで全てをワンストップで解決できる士業事務所のため、福岡県内だけでなく、県外からのご相談者様も多数いらっしゃいます。