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相続財産の中に株や投資信託があったらどうしたら良い?相続手続について弁護士が解説

2023.04.11

相続財産と言えば、不動産や現金、預貯金を思い浮かべる方が多いと思いますが、実際には上場株式や投資信託などの金融商品が含まれるケースも少なくありません。 ところが、被相続人が日常的に資産運用を行っていた事実を知らずに、相続が始まってから「株式や投資信託が見つかった」「どうやって手続きを進めればいいのか分からない」という状況になる人も結構いらっしゃいます。
本コラムでは、金融商品を保有していたかどうかを調べる方法や、実際に相続財産として株式等が見つかった際の手続き、さらに相続税評価額の決定方法や相続税申告後に新たに金融商品が発見された場合の対応まで、一連の流れをまとめて解説します。

1.金融商品を保有していたかどうかの調べ方

①口座開設関連の書類を探す

有価証券の取引をしている場合は、金融機関や証券会社を通して取引を行っていますので、これらの口座開設をした際の書類の控えが保管されているはずです。

②四半期報告書を探す

上場企業では、四半期ごとに報告書を株主や投資家などに交付していますので、過去の報告書が残っている可能性があります。

③通帳の確認

記帳をすると、通帳に配当金が振り込まれている旨の記載がある可能性があります。

④パソコンの確認

インターネットで株の取引を行っていた場合は、パソコンのブラウザのブックマーク・お気に入りに証券会社が登録されている場合があります。

⑤メールの確認

パソコン・携帯電話のメールに証券会社から案内などが届いている場合があります。

以上の通り、金融商品を保有していたかどうかは、証券会社や金融機関とのやり取りから主に判断できますので、関連する書類があるかどうか、探してみましょう。

相続財産の中に株や投資信託があったらどうしたら良い?

2.株や投資信託が判明した際の相続手続き—売却か名義変更か

2-1.遺言書があるかどうかの確認

株式や投資信託などが相続財産として見つかったら、最初に「遺言書が存在するかどうか」を確かめます。

遺言書があり、誰が取得するか明記されている場合

その人物(相続人)が証券会社へ名義変更の手続きを行う。売却の意志があるなら、いったん相続人名義の口座に移管したあとで売却。

遺言書はないが、遺産分割協議で特定の人が取得することになった場合

上記と同様に、取得者が口座を用意し、株式や投資信託をそちらへ移管する。状況に応じて売却を進める。
-遺言書がなく、かつ金融商品を取得したい人がいない場合
金融商品を相続したい人がいない、あるいは分割しづらい商品であることも考えられます。そのときは、一度代表の相続人が名義を引き継ぎ、売却して現金化してから相続人全員に分配します。 たとえば「株の銘柄や投資信託の内容がよく分からないし、すぐに資金を得たい」という場合、最終的に現金化を選ぶケースが多いです。現金化によって平等に分配しやすくなる一方で、売却時の市況によっては価値が上下することもあるため注意が必要です。

3.株式・投資信託の相続税評価額の決め方

3-1.上場株式の場合

上場株式は日々価格が変動するため、被相続人が死亡した日を基準に「最終価格や各月の平均額」などを用いて評価額を計算します。
具体的には

  1. 1. 死亡日の最終価格
  2. 2. 死亡月の最終価格の平均額
  3. 3. 死亡前月の最終価格の平均額
  4. 4. 死亡前々月の最終価格の平均額

上記4つを算出し、最も低い価格を評価額とします。これは相続税の計算を行う側(国)と納税者側との公平性バランスを保つために定められたルールです。

3-2.投資信託などの場合

投資信託は株式だけではなく債券や不動産投資信託(REIT)などを含む場合もあり、その評価方法は一律に言えません。ただし「相続開始日に解約請求や買取請求を行ったと仮定した場合に支払われる金額」が評価額になるケースが多いとされています。 正確な評価額は、証券会社や信託銀行に問い合わせると教えてもらえますので、自力で判断しようとせず、専門家への確認を推奨します。

4.相続税申告後に株式などが発見されたら?

4-1.相続税の修正申告が必要となる

金融商品は意外と見落としやすい財産の1つです。たとえば「証券会社でわずかに保有していた投資信託があったが家族は知らなかった」などの事情から、相続税申告をした後になって株式や投資信託の存在が判明することがあります。この場合は相続税の修正申告を行わなければなりません。相続税の申告期限(通常は相続開始を知った翌日から10か月以内)を過ぎてしまうと延滞税や加算税が生じる可能性もあるため、なるべく初回の申告段階で遺産を漏れなく把握しておくことが大事です。

4-2.場合によっては再度の遺産分割協議が必要となる

相続税の修正申告だけで済む場合もあれば、追加で見つかった金融資産を誰に相続させるのか、再度遺産分割協議が必要になるケースもあります。遺産分割協議書の中に、「本遺産分割協議は被相続人の全財産を対象とする」と明記していた場合でも、新たに発見された財産が当初の合意範囲に含まれていたとは限らないため、想定外の高額資産などが見つかった場合は、公平性を保つために追加協議や補足合意が必要となるケースが多いです。

5.資産運用の継続か売却か? 相続人が迷ったときのポイント

相続人が株式や投資信託を受け継いだものの、「運用する時間や知識がない」「市況が不安定で判断が難しい」などの理由で迷う方もいます。ここでは、運用を続けるか、早期に売却するかを検討する際の基本的な考え方を紹介します。

5-1.運用継続のメリット・デメリット

メリット

市況が好転すれば売却益や配当収入が期待できる。自分自身の資産形成にもなる。

デメリット

市場リスクを負う。銘柄の管理などに時間を割く必要がある。

5-2.早期売却のメリット・デメリット

メリット

現金化することで分配が簡単になり、運用リスクを避けられる。相続人同士の意見調整が容易。

デメリット

市場価格が低迷しているタイミングだと、損失となる可能性がある。運用益を期待していた場合は将来収益を失う可能性。

5-3.専門家への相談でリスク管理を

相続人のうち資産運用に慣れていない人が代表で株式を受け取る場合は、証券会社やファイナンシャルプランナーにアドバイスを求めるのも有効です。また、多額の株式を保有している場合には税金への影響も大きいので、税理士と連携した試算を行ってから売却時期を決めるのも一つの方法です。

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6.まとめ—金融商品を含む相続は最初の財産調査が肝心

株式や投資信託などは現物がないため、つい見落とされがちです。最初の相続財産調査の際に見つけらなかった場合は、相続税申告の修正や遺産分割のやり直しが必要になることもあるため、事前に一通りの財産を洗い出すことが大切となります。
今回ご紹介したケースに心当たりがある方や、相続税申告の準備を進めている段階で株式や投資信託があるかも……と思われる場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
当事務所では初回無料相談を行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
 

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