もくじ
ご相談事例
認知症の父の財産管理をしていた兄が、預金残高の開示を拒否しています
相談内容
数か月前に父が亡くなりました。
父は認知症があり、生前に父の財産管理をしていたのが兄なのですが、相続手続を進めようとしたところ、預金残高の開示を拒否しています。
そのため、こちらで取引履歴を発行し確認したところ定期預金を勝手に引き出し使っていたようです。
死後に数十万円の出金をしたことは認めているのですが、他にも明らかに父の筆跡でない委任状での引き出しがあるなど、勝手に引き出したような形跡があります。
弁護士からの回答
お話をお伺いしたところ、お父様の死後に数十万単位の出金をしていることについては、お兄さんから確認がとれているようですが、他にもお亡くなりになる1年前ほどに定期預金の引き出しなど勝手に引き出しがされている様子があるということで、使い込みが疑われるケースでした。
この定期預金については、「父自身が引き出して兄の子にあげた」とお兄さんからは言われたようですが、引き出した日にお父様は既に入院しており銀行に出向くことは不可能であり、ご相談者様としてはこれも兄が勝手に引き出して使ったのではないかとお考えでした。
使い込みを主張していくためには、父自身が引き出していないこと、兄が自身のためにお金を使ったことを明らかにしなければならないため、過去の医療記録などを取り寄せたうえで詳しく調べていくことになります。
また、お亡くなりになる2ヶ月前に作成された公正証書遺言があったのですが、お父様には認知症があったということからも、遺言書の作成や預貯金の引出の委任などはできない可能性があるとお伝えし、当事務所でお手伝いできる業務として、遺産分割代理(ご相談者様の代わりに弁護士が遺産分割の話し合いを行う)、不当利得返還請求訴訟(兄が引き出したお金を返してもらう)、遺言無効確認訴訟(作成された遺言が無効であることを認めてもらう)の3つをご提案し、それぞれの流れをご説明の上で、一度持ち帰ってご家族ともご相談をしていただき、どこまで進めるかをご検討して再度ご相談に来られることになりました。
参考ページ:預金の使い込み
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