昭和の終わりから平成の始まりにかけて、跳ね上がった土地価格は、その後の景気の低迷とともに下落傾向にあるようです。しかし、相続財産の中に占める土地評価の割合は依然として大きく、それに伴う権利のありようも様々です。家督相続が廃止されて60年余り経過し、人々の中では長子相続を当然とする意識は払拭されたように見えます。こういう社会的な要因は遺産分割に関わる遺族間の紛争を確実に増やし続けています。
法律相談においても、相談件数のトップにあるのが相続・遺言に関わるものです。身近にある問題でありながら不明な部分や誤解されているところが数多く見られます。
今回はQ&Aとして相続の初動知識に触れてみたいと思います。
相続とは何か?
【回答】あなたは、どちらの土地も父からの遺産として相続することができます。
(1)登記簿上は、曾祖父名義や祖父名義であっても、曾祖父から祖父へ、祖父から父へと家督相続により、所有権が移転し、お父さんの所有物(遺産)になっているからです。
(2)ただし、曾祖父や祖父から、相続を原因として直接あなたへ所有権移転登記をすることはできないので、曾祖父から祖父へ、祖父から父へ、父からあなたへと順序を踏んで移転登記をしなければなりません。
つづきはこちら:相続についての法律相談2