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相続一般

相続税時精算課税制度の手続きとポイント

2020.12.11

相続税時精算課税制度の手続きとポイント相続時精算課税は、満60歳以上である父母及び祖父母から、満20歳以上の推定相続人である子(代襲相続人又は養子も含まれる)及び孫に対する贈与に限り適用される制度です。

なお、一度相続時精算課税制度を選択した者は、その贈与者からの贈与については、その選択をした年以降全てこの制度が適用され、「暦年課税」に変更することはできません。

相続時精算課税の制度には、贈与の回数や財産の種類、1回の贈与金額、贈与の期間等の制限がないため、贈与額が2,500万円に達するまでは何度でも無税で贈与することができます。

ただし、暦年課税に係る贈与による毎年の110万円の基礎控除は適用されないため注意が必要です。相続時精算課税制度の適用を受けようとする人は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書とあわせて相続時精算課税制度を選択する旨の届出書を税務署に提出する必要があります。

相続時精算課税を選択した受遺者は、贈与者の死亡時に、それまでに贈与を受けた贈与財産と相続又は遺贈により取得した財産とを合計した価額をもとに、相続税額を計算します。この時、相続又は遺贈により取得した財産は相続発生時の評価額で計算しますが、贈与を受けた財産の価額は贈与された日時点の評価額で加算する必要があります。

つまり、評価額が上下する財産であれば、評価額が贈与時点と比較して相続発生時に値上がりしていれば相続税の負担は軽くなり、値下がりしていれば相続税の負担は重くなります。

相続時精算課税制度は、贈与時に2,500万円まで贈与税の特別控除を受けることができるため、一見すると非常に節税効果が高い印象を受けますが、実際は税金の支払いを相続発生時まで先延ばしにするだけで、税金の負担が必ずしも軽減するわけではありませんので、利用する場合には十分な検討が必要です。

贈与者の立場から見ると、自分の死後に相続税が発生することが明らかな場合、相続発生時の相続税の負担を軽減する対策としては、原則として暦年贈与を選択する方が有利なことが多いです。

ただし、将来評価額が値上がりする可能性の高い財産や、着実に収入を生む財産を、生前に一括して子や孫に贈与したいという場合は、相続時精算課税制度を選択するのもよいでしょう。

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