相続財産とみなされるのは、現金や不動産だけではなく、上場株式や投資信託などのいわゆる「金融商品」なども含まれます。
しかし、相続人の方が資産運用を行ったことがない場合は、こういった金融商品を相続する時はどうしたら良いのかと困ってしまうことも少なくないのではないでしょうか?
今回は、相続財産に金融商品が存在するかどうか、また存在している場合の相続手続き、及び相続税申告について一部ご説明したいと思います。
1.有価証券が相続財産に含まれているかどうかの調べ方
①口座開設関連の書類を探す
有価証券の取引をしている場合は、金融機関や証券会社を通して取引を行っていますので、これらの口座開設をした際の書類の控えが保管されているはずです。
②四半期報告書を探す
上場企業では、四半期ごとに報告書を株主や投資家などに交付していますので、過去の報告書が残っている可能性があります。
③通帳の確認
記帳をすると、通帳に配当金が振り込まれている旨の記載がある可能性があります。
④パソコンの確認
インターネットで株の取引を行っていた場合は、パソコンのブラウザのブックマーク・お気に入りに証券会社が登録されている場合があります。
⑤メールの確認
パソコン・携帯電話のメールに証券会社から案内などが届いている場合があります。
以上の通り、金融商品を保有していたかどうかは、証券会社や金融機関とのやり取りから主に判断できますので、関連する書類があるかどうか、探してみましょう。
2.相続財産に株や投資信託の相続手続き
株や投資信託などが相続財産として存在していることが分かったら、実際に相続手続きに移るわけですが、どのような流れで相続手続きを進めていくか、ご説明したいと思います。
まずは遺言書の有無を確認します。
遺言書が存在しており誰が相続するか決まっている場合、または遺言書は存在しないが遺産分割協議により特定の相続人が取得することとなった場合
⇒証券会社などに株の引継ぎ(名義変更)に伴う書類を提出する。
なお、売却する・しないに関わらず相続人名義の口座を用意する必要があり、手続きが出来次第該当口座に株式等が移管され、手続は完了します。
遺言書が存在しておらず、遺産分割協議で特定の相続人が取得しない場合
⇒現金化して相続人間で分配します。なお、この場合も上記と同様に代表の相続人の口座を開設し、一度株や投資信託の名義変更をしたのちに売却・現金化することになります。
3.おわりに
今回は、有価証券が相続財産に含まれているかどうかの調べ方と有価証券が相続財産に含まれているかどうかの調べ方について、説明しました。
相続人の方が資産運用を行っている場合は、上記の方法をご参考にされてみてはいかがでしょうか。
次回は、相続税評価額の決定方法、相続税申告後に株式などが発見された場合について説明します。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。
弁護士法人菰田総合法律事務所
福岡を拠点とした弁護士法人菰田総合法律事務所は、司法書士法人と税理士法人も有した法律事務所です。
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