| 年齡 | 40代 |
|---|---|
| ご相談者様の状況 | 相続人本人 |
| 遺産の種類 | 不動産・現金・預貯金 |
| ご相談分野 | 遺産分割 |
| 担当弁護士 | 國丸 知宏 |
| 解決までの期間 | 約2年 |
ご相談時の状況
依頼者様は、被相続人である祖母の相続開始後、遺産の分け方をめぐって相続人間の話し合いが停滞し、精神的にも大きな負担を感じておられました。遺産には不動産や預貯金のほか、名義預金や生前出金、死亡保険金などが含まれており、それぞれの扱いについて相手方から細かな主張が繰り返されていました。
依頼者様としては、できる限り話し合いによって円満に解決したいと考えていましたが、相手方とのやり取りは書面中心となり、議論が枝葉に広がることで協議が前に進まない状態が続いていました。また、このまま協議が長期化すれば、相続税の未分割申告や、将来的な調停・審判への移行も避けられないのではないかという不安も抱えておられました。
当事務所の対応
当事務所では、まず遺産全体の内容を整理し、不動産、預貯金、名義預金、生前出金、死亡保険金といった各財産について、法的な位置づけと整理の方向性を明確にしました。そのうえで、現在の協議状況を踏まえ、協議を続けた場合と調停へ移行した場合のそれぞれのメリット・デメリットを依頼者様に具体的に説明しました。
不動産については、将来的に売却して分割する可能性も視野に入れ、評価の考え方や売却手続の進め方について整理を行いました。
また、相手方には代理人が就かなかったため、本人との手紙のやり取りが続いていましたが、当事務所が窓口となり、感情的な対立を避けながら交渉を進めました。
当事務所は、協議が不調に終わった場合に備え、遺産目録の精緻化や資料整理を並行して進めることで、いつでも次の手続に移行できる状態を整えました。その結果、相手方にも協議による解決の現実性が伝わり、最終的には協議にて解決し、不動産を売却することができました。
解決のポイント
本件の解決において重要だったのは、調停を強く意識させつつも、あくまで協議による解決を目指して交渉をコントロールした点にあります。不動産を含む相続では、売却や手続を急ぐあまり、かえって対立が深まることも少なくありません。本件では、法的・税務的な整理を先行させることで、相手方の主張を冷静に受け止めつつ、現実的な落としどころを探ることができました。
まとめ
相続においては、当事者同士での話し合いが難航し、調停や裁判を検討せざるを得ない場面もあります。しかし、すべてのケースで法的手続に進むことが最善とは限りません。本件のように、将来的な選択肢を整理したうえで協議を続けることで、裁判外での解決が可能となる場合もあります。
当事務所では、協議・調停・審判のいずれにも対応できる体制を整えながら、依頼者にとって最も負担の少ない解決方法を選択できるようサポートしています。
相続の話し合いが進まずお悩みの方も、ぜひ一度ご相談ください。