| 年齡 | 60代 |
|---|---|
| ご相談者様の状況 | 相続人本人 |
| 遺産の種類 | 不動産・現金・預貯金 |
| ご相談分野 | 遺産分割 |
| 担当弁護士 | 所属弁護士 |
| 解決までの期間 | 約1年 |
ご相談時の状況
依頼者様はお母様が亡くなられたことをきっかけに、相続手続きをどのように進めればよいか分からず、当事務所へご相談されました。相続人は依頼者様と妹様の二名でしたが、相続財産には預貯金だけでなく、不動産、株式、証券口座、貸金庫内の財産など多様な資産が含まれていました。また、依頼者様が生前および死後に立て替えて支払った葬儀費用や固定資産税なども整理する必要がありました。
加えて、妹様側にはすでに弁護士が就いており、依頼者様が直接話し合いを進めることが難しい状況でした。財産の種類が多く、整理に専門性を要すること、また相続人同士で調整が必要な項目が多かったことから、依頼者様は「自分ひとりでは進められない」と感じ、専門的なサポートをご希望されていました。
当事務所の対応
当事務所では、まず財産全体を正確に把握するため、金融機関・証券会社・市役所への照会を行い、口座残高、不動産情報、名寄帳、固定資産評価額などの必要資料を収集しました。並行して貸金庫開扉に立ち会い、中身を確認したうえで財産目録を作成し、依頼者様と相続財産の内容を共有しました。
そのうえで、妹様側の代理人弁護士と情報交換を行い、双方が同じ情報をもとに協議を進められるよう整理を進めました。依頼者様はご実家不動産の取得を希望されていましたが、不動産を単独で承継する場合は、評価額に応じて他の相続人へ代償金を支払う必要があります。この点については、複数の評価資料を比較しながら妥当な金額を算出し、負担と公平性のバランスが取れる提案内容としてまとめました。
交渉では、立替費用の精算の扱いや、株式や預貯金の評価時点など細かな確認事項が続きましたが、代理人同士のやり取りにより感情的な対立を避けながら協議を進めることができました。最終的には、依頼者様が希望された不動産を取得し、代償金の支払いとその他財産の分配について双方が納得できる内容で協議が成立しました。
解決のポイント
本件では、財産の種類が多いことに加え、貸金庫内の確認、不動産査定、証券口座の評価など、専門的手続きが多く発生しました。また、相続人同士で直接話し合うことが難しい状況であったため、代理人を通じて淡々と整理を進めたことが円滑な解決につながりました。
特に、不動産取得を希望されていた依頼者様に代わって、代償金の妥当性を客観的資料に基づき交渉できたことは、安心して手続きを進めていただけた大きなポイントとなりました。
まとめ
相続では、単に財産を分けるだけでなく、財産内容の確認、評価時点の統一、立替費用の整理など、複数の確認作業が必要になることがあります。また、相続人間での直接交渉が難しい場合や、複数の金融機関や資産が関わる場合には、より専門的なサポートが必要となります。
今回のケースでは、丁寧な財産調査と代理交渉により、依頼者様の希望を反映した形で遺産分割を成立させることができました。
相続手続きに不安がある方や、話し合いが進まない状況でお困りの方は、一度専門家にご相談いただくことで、整理が進み、最適な選択が見えることがあります。お気軽にご相談ください。