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解決事例一覧

兄への金銭援助が問題に。調査と交渉で進めた遺産分割解決事例

2025.11.23
年齡 50代
ご相談者様の状況 相続人本人
遺産の種類 不動産・現金・預貯金
ご相談分野 遺産分割
担当弁護士 久富 達也
解決までの期間 約1年4ヵ月

ご相談時の状況

依頼者様は、お父様が亡くなられたことをきっかけに、相続手続きが必要となり、当事務所へご相談いただきました。
相続人は依頼者様とその兄のお二人でしたが、被相続人が生前に兄へ相当額の金銭援助をしていたことが判明し、依頼者様は遺産分割にあたって、これを考慮してほしいとお考えでした。しかし、兄は代理人を就け、金銭援助を受けたことを否定したため、当事務所に協議を依頼されることとなりました。

当事務所の対応と解決までの流れ

まず当事務所では、財産の全体像を正確に把握するため、金融機関への口座照会、名寄帳調査、残高証明書の収集など、徹底した財産調査を行いました。
調査の過程で、過去の通帳・振込履歴・手書きのメモなどから、被相続人が兄へ多額の金銭援助をしていたことが分かりました。援助内容には、事業資金、結婚・離婚に伴う費用、生活補填と思われる金銭支払いなどが含まれていました。
これらの内容は、遺産分割において「特別受益」に該当する可能性があるため、詳細な整理を進めながら交渉を重ねました。
相手方とは、当初は金額や経緯に対する認識の相違もありましたが、証拠資料の整理を行い、互いの主張を調整した結果、最終的には双方が納得できる形で遺産分割について合意することができ、無事に遺産分割協議が成立しました。

解決にあたってのポイント

本件の最大の争点は、兄への生前贈与(特別受益)を遺産分割にどう反映するかという点でした。
生前の金銭授受は銀行振込だけでなく、現金での支払い・立替えなどもあります。この場合、領収書の保管状況などによっては、立証が困難なケースが多くあります。
そのため当事務所では、通帳履歴・領収書・メモ書きなどの関連資料を時系列で整理し、必要に応じて金融機関照会を行い、不明な資金流れを特定することに成功しました。
相手方も、証拠が明らかとなったことで生前贈与を認めざるを得なくなり、無事に解決することができました。
また、弁護士が交渉窓口となることで、依頼者様は相手方と直接やりとりする必要がなく、精神的負担が大幅に軽減されたことも解決に繋がる重要な要素となりました。

まとめ

相続財産自体は明確でも、生前の資金援助や贈与があったケースでは、相続人間で認識が食い違い、トラブルに発展することが珍しくありません。
本件のように、資料の整理や証拠の評価を行いながら、適切に法的判断を進めることで、時間がかかる相続問題でも最終的に円満な解決を目指すことが可能です。
当事務所では、相続トラブル・遺産分割交渉・財産調査など、相続に関する業務を幅広く対応しております。
相続手続きや相続人間の話し合いに不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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