| 年齡 | 50代 |
|---|---|
| ご相談者様の状況 | 相続人本人 |
| 遺産の種類 | 不動産・現金・預貯金 |
| ご相談分野 | 遺産分割 |
| 担当弁護士 | 國丸 知宏 |
| 解決までの期間 | 約1年3ヵ月 |
ご相談時の状況
ご相談者様は、ご両親が相次いで亡くなられたことを受け、相続手続きを進める必要がありました。しかし、相続人間で財産の扱いに対する認識が異なり、話し合いが進まない状況となっていました。
特に、きょうだいのひとりが「自分は親の介護や生活面を支えてきた」という理由から寄与分を強く主張し、相続分を大きく増やすよう求めていたことが、協議を難しくしていました。さらに、依頼者様名義である土地に相手方が無断で物を設置していたことなど、生活上のトラブルも相続問題に絡む形となり、精神的にも大きな負担を感じ、当事務所にご相談くださいました。
当事務所の対応
受任後は、まず代理人として相手方に通知を行い、依頼者様が直接連絡を受ける必要がない環境を整えました。そのうえで、遺産の内容や評価、寄与分に関わる事実関係などを整理しながら、交渉による解決を目指しました。
しかし、相手方の主張と姿勢から、任意の協議では着地点を見いだすことが難しいと判断し、依頼者様と相談のうえ、遺産分割調停を申し立てました。
調停では、双方の主張が整理され、寄与分の根拠や相続財産の評価について法的視点から検討が進みました。複数回にわたる調停期日を経て、最終的に相手方が当方の提示額を受け入れる方針へ転じ、金銭的な清算を含む調停条項がまとまりました。また、依頼者様名義土地に設置されていた物についてはすべて撤去し、その費用も相手方負担とする条件で合意されました。調停は無事成立し、その後の支払いや物の撤去などの履行も順調に進み、事件は終結しました。
解決にあたってのポイント
本件は、相続そのものよりも、相続人間の関係性や寄与分への考え方の違いが問題を大きくしたケースでした。当事務所が間に入ったことで、依頼者様は相手方と直接やり取りすることなく手続きを進めることができ、精神的な負担を大きく軽減できました。また、調停という手続きを選択したことで、感情論ではなく法律に基づいた話し合いが可能となり、公平な視点から整理された形で最終的な合意に至ることができました。
まとめ
相続では、財産内容そのものよりも、相続人同士の認識の違いや感情が背景にあることで話し合いが停滞することがあります。寄与分のように法的判断が必要な論点が含まれる場合、当事者同士で解決することは難しく、調停などの法的手段を活用することで現実的な解決につながることがあります。
今回のように、話し合いが進まない、相手の主張に納得できない、精神的に対話がつらいと感じる場合には、専門家が介入することで冷静かつ適切な形で相続手続きを進めることができます。相続についてお困りごとや不安がある場合は、一人で抱え込まず、ご相談ください。