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信託

【家族信託】受益者代理人ってどんな人①

2021.02.09

信託法に基づく信託契約のうち、家族間で締結される「家族信託」が、家族間での財産管理・資産承継を行う新しい方法として注目されています。
「家族信託」が注目を浴びたのは、信託法が平成19年に一般の人も利用しやすいように改正されたためです。
信託法は、大正時代に設立したもので、信託銀行等が取り扱う資産運用として活用されること(これを「商事信託」といいます。)が主流でした。

「家族信託」契約は、財産の管理や処理を任せる「委託者」、委託者から預かった財産(これを「信託財産」といいます。)の管理・処分を行う「受託者」、信託財産から経済的利益を受ける「受益者」の3人さえいれば締結できます。

もっとも、それぞれの家族の必要性に合わせて、改正前の信託法のときから定められていた「受益者代理人」を活用することができます。

では、「受益者代理人」とはどのような人なのでしょうか?
「受益者代理人」は、その名の通り、受益者に代わって権利を代理する者のことをいいます。

信託法の主流であった「商事信託」では、信託銀行等が受託者となり、多数の当事者から金銭を預かり資産運用を行います。「商事信託」では受益者が必然的に多くなるため、迅速・適切な意思決定が困難になることがあります。

迅速・適切な意思決定を行うための策として、意思決定権を集約する存在として「受益者代理人」という制度が用意されたのです。
「家族信託」は、高齢の親の財産管理・生活支援のために活用することが多いのですが、未成年者・知的障がい者などを支える仕組みとして利用することもできます。

そこで、高齢の親が認知症になった場合や未成年者や知的障がい者などの判断能力が低下・喪失したとされる者に代わって、迅速・適切な意思決定を行うために「受益者代理人」を設置することができます。

なぜなら、「受益者代理人」には、受益者本人に判断能力があるか否かにかかわらず、受益者という立場で、「受益者に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有」している(信託法(以下、「法」といいます。)139条1項)からです。

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