世の中には相続したくない不動産を相続してしまうことで困っているご家庭がたくさんあります。実家が田舎にあったりして、多くの山林などを相続したものの、もはや場所もよくわからないし、どうやって管理すれば良いかもわからないし、売却したくても買い手が見つからない、不要だから自治体に寄付したくても自治体にも断られる、様々な事情で本来は財産的価値があるはずの不動産が負の財産となってしまっているケースは多いものです。
もくじ
1.相続土地国家帰属制度
そこで、そのような不動産が放置されることがないよう、国が新たに制度を創設しました。それが、相続によって土地や農地などを手に入れたものの、利用価値もないため手放したいと考えた相続人や受遺者が、一定の条件を満たせば利用できる相続土地国家帰属制度です。
2.必要書類
この制度を活用するうえで、申請に必要な書類がいくつかあります。その中で、承認申請にかかる土地と隣接する土地との境界線を明らかにする写真を添付する必要がありますが、手続きを進めていくにあたって、最も難易度が高いのが境界に関する写真を撮るという点です。
土地の状態によっては境界を探すのが予想以上に困難な場合もあります。
そこで今回は、隣接する土地の境界をどのように見つけるかについて、お話ししていきます。
3.相続土地国庫帰属制度申請で、難易度が高い境界の写真を撮影するということ
例えば、街の中で、きちんと整備されている土地であれば、以下の写真のような境界点が角すべてに設けられています。
しかしながら、住宅地で整備されていたとしても、本当の境界点はどれなのか、所有者でもわからないことが多いです。
例えば、家を建築する際(実際の申請は建物がある土地は例外です)に地盤の関係等で、実際の土地の境界より手前にフェンス等をしていると、実際の土地のサイズがどれくらいで境界がどこなのかがわからなくなってしまいます。
ましてや、親等から相続し、手放したいと考えているような土地であれば、申請者本人には全く馴染みのない土地だと思いますので、余計に分かりません。
そして山林ともなると、面積も広大であり、なおかつ、木や草が生い茂り地面さえよく見えない、綺麗な形をしていない土地ばかりです。
4.境界の撮影方法
では、そんな状態で、どうやって写真を撮ればいいのでしょうか?
方法としては3種類あります。
①親等から聞いた自分たちが認識している境界で申請する
②法務局に登録されている測量図をもとに境界を判断する
③土地家屋調査士等に依頼をして境界を見つける
帰属不承認事由(国が土地を引き取ることを断る事由)の一つに「隣地との境界に争いがある」というのがあるため、隣地との境界に争いがないというのは、とても重要なポイントです。
一番簡単な方法は①ですが、後日法務局の実地調査にて、隣地所有者に境界に争いがないかの確認が入りますので、①だと若干のリスクは残ってしまいます。法務局としては②を推奨していますので、どの方法でいくのかよく検討を重ねましょう。下記にて各方法別の詳細を解説いたします。
5.境界を見つける方法別解説
①親等が聞いた自分たちが認識している境界で申請する
こちらが、一番簡単な方法です。
従前親から隣の土地との境界はここだよ、と教えられていた場合は、そこを境界点として印(ポールや杭など)をつけ、申請をしてしまうという形です。
制度概要パンフレットにも「申請者自身が認識している境界点の写真」と書いてあるので、この方法を採ることは可能です。
ただし、後日法務局の実地調査において、隣地所有者に境界に争いがないかの確認が入りますので、そのときに異議を唱えられた場合、手続きが煩雑になり、最悪の場合は不承認になる恐れが残ってしまいます。
②法務局に登録されている測量図をもとに考える
その土地を登記する際に、土地を測量した図も一緒に登録されている場合があります。
測量図が残っている土地であれば、それぞれの辺の縮尺が記載されていますので、実際のサイズになおします。
そして、申請する土地でそのサイズになる境界点にポールや杭を立てて写真を撮る、という流れです。
ただ、最近整備された土地であれば測量図があることも多いのですが、昔から代々受け継いできている土地であれば、測量図がないことも多いです。
③土地家屋調査士等に依頼して境界を見つける
境界がまったくわからないといったときには、費用は掛かってしまいますが、土地家屋調査士等に依頼をし、測量をしてもらうという方法があります。
ただ、測量した証明書の添付を法務局は求めていないのと、土地家屋調査士に依頼をするとなると10万円程度の費用が発生してしまうことを考えると、山林など自分での測量がなかなか難しい土地のみこの方法を活用するのが良いかと思います。
法務局としては、②を推奨しているようです。
測量図が残っているのであれば②が良いと思いますが、100%残っているとは限りませんので、土地の地目や面積など、その土地の状況に応じてどの方法を採るのが良いかの判断が必要になってくるといえます。
6.相続土地国庫帰属制度-よくあるQ&A
7.相続土地国庫帰属制度申請手続サポートサービス
弁護士法人Nexill&Partnersでは、相続土地国庫帰属制度の申請を、本人に代わり士業が代行するサービスを行っております。
実際の申請手続きは、該当の土地の特定や境界の確定、負担金の算定など、申請書類を作成する際にある程度の専門知識が必要になり、必要書類の収集も含めて手間がかかってしまいます。
申請に関して少しでも不安がある場合は、初めから全て専門家に依頼されることをお勧めします。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。
弁護士法人Nexill&Partners(旧:弁護士法人菰田総合法律事務所)
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