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相続一般

遺言書の保管は法務局で~法改正で自筆証書遺言をより安全に保管できるように~

2020.11.20

監修 菰田泰隆 代表弁護士


遺言書の保管方法について考えられたことはありますか?
遺言者本人が自筆して自ら保管する遺言書を、自筆証書遺言といいます。
これを作成した後は、遺言書の効力発生時である遺言者の死亡時まで大切に保管しておく必要があります。
では、作成された遺言書はどこで保管すべきなのでしょうか?

まず一番に考えられるのが、ご自宅での保管です。タンスの中だったり、仏壇の中だったり、もしかしたら家族の誰かに預けている方もいらっしゃるかもしれません。
大多数の方が、ご自宅のどこかで保管をされているかと思いますが、どうしてもご自宅での保管は紛失や改ざんのリスクが高くなってきます。
例えば、ご自宅が災害にあって遺言書が無くなってしまったり、遺言書の存在を良く思わない親族がいた場合、ご自身の死後に遺言書を隠されてしまったり、そもそも遺言書がどこに保管されているかが分からず、せっかく残した遺言書が発見されないという可能性もゼロではありません。
上記のようなリスクを避けるためには、以前までは公正証書遺言を作成し、公証役場で保管をしてもらうことが一般的でした。しかし、作成する際に、自筆証書遺言よりも費用面や手続面での負担が大きいため、公正証書遺言の利用に抵抗のある方も多くいらっしゃったかと思います。

そこを考慮して、令和2年の法改正では、自筆証書遺言をより安全に保管できる方法として、法務局での自筆証書遺言の保管制度が創設されました。
遺言書 保管
法務局で自筆証書遺言を保管するメリットとしては、遺言書の紛失や偽造・改ざんのリスクが無いという点があります。加えて、自筆証書遺言は本来であれば開封をする前に家庭裁判所での検認手続きを行わなければいけないのですが、法務局で保管をしていればその手続きが不要になるという点も挙げられます。つまり、今までの自筆証書遺言の簡易さを残しながら、デメリットであった紛失や改ざんのリスクを排除し、検認を不要とすることで、遺言書の普及率を向上させようとの狙いで作られた制度です。

法務局で自筆証書遺言の保管をされたい場合には、以下の厳格な様式に従う必要があります。

  1. ① 民法上の自筆証書遺言の要件(遺言書の全文、作成日付、遺言者の氏名を自書し、押印すること)
  2. ② 用紙の要件:A4サイズ、上部5㎜、下部10㎜、左20㎜、右5㎜の余白を必ず確保すること、片面のみに記載すること、各ページにページ番号を記載すること、ホチキス等で綴じないこと

このように自筆証書遺言はご自身で簡単に作ることができます。しかし、法務局はあくまでも形式面の不備がないかどうかを確認するにすぎないため、遺言の内容面に不備があれば無効になってしまう可能性もあります。
せっかく作成した遺言書が無効になってしまっては勿体ないですよね。
そこで、ご自身で遺言書を書きたいと考えられている場合でも、記載する内容については専門家に相談のうえで書かれることをお勧めします。
当事務所では、法務局での保管に対応した形式の自筆証書遺言作成も承っており、当事務所で弁護士と一緒に作成した自筆証書遺言を法務局の保管制度で保管する方法を最もお勧めしております。法務局へ保管へ行かれる際は、保管制度利用の申込みから実際に法務局へ行く日程調整まで当事務所でサポートしておりますので、ぜひご活用ください。
初回のご相談は無料ですので、法務局での遺言書保管をご検討の方はぜひ一度ご相談ください。
 

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