まずは、相続分の譲渡の方法についてお話しします。
相続分の譲渡は、まったくの第三者はもちろん、他の共同相続人にも譲渡することができます。
また、譲渡の対象は、自己の相続分全てでなくともよく、一部の譲渡も認められています。
他の一般的な譲渡と同じく、当事者間の合意だけで譲渡は成立します。
もっとも、一般的な譲渡の場合、当事者以外の第三者に権利を主張するためには、いわゆる対抗要件を必要としており、不動産の場合は登記が必要です。(民法177条)
しかし、相続分の譲渡に関しては、契約等の各種の個別的な権利変動とは別の問題であるとして、第三者に対してもこの対抗要件は不要であるとされています。
したがって、相続分の譲渡は合意だけで有効に成立し、他の共同相続人や、その他の第三者にその権利を主張することができるのです。
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