前の遺言は、後の遺言や法律行為と「抵触」する限度で、撤回されたとみなされます。
「抵触」の有無及び範囲は、前の遺言の効力を否定しなければ、後の遺言や法律行為の内容を実現できないかどうかという客観的なものはもちろん、たとえ客観的な抵触がない場合であっても、諸般の事情から、遺言者が前の遺言と両立させないという意図で後の遺言や法律行為をしたといえる場合には、実質的・主観的な抵触があるとして、撤回されたとみなされます。
例えば、遺言者が、甲不動産をAに遺贈する旨の遺言をした後に、乙不動産をAに遺贈する旨の遺言をした場合、前の遺言と後の遺言は両立可能であって、客観的な抵触はありません。
しかし、諸般の事情から、Aに与える不動産を甲から乙に変更する趣旨で後の遺言がなされたことが明らかであれば、実質的に抵触するとして、Aに対する甲不動産を遺贈する旨の遺言は撤回されたとみなされることになります。
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