遺言は、遺言者が死亡して初めて効力を発揮します。(985条1項)
そのため、遺言が効力を発揮する時には遺言者は存在しません。したがって、その遺言が本当に遺言者の真意に基づくものであることを担保できるようにする必要があります。
民法は、真意であることを担保するために、遺言者に一定の方式に従って遺言をさせるようにしています。(960条)
この方式が守られていれば、正式な遺言として、遺言者の真意によるものであるとみなされるわけです。
逆に言えば、口約束など、方式に従っていない遺言は、効力を有しないことになります。
遺言の方式には、普通方式と特別方式があります。(967条)
普通方式の遺言には、自筆証書遺言(968条)、公正証書遺言(969条・969条の2)、秘密証書遺言(970条~972条)の3つがあります。
特別方式の遺言には、死亡危急者遺言(976条)、伝染病隔離者の遺言(977条)、在船者の遺言(978条)、船舶遭難者の遺言(979条)の4つがあります。
特別方式とは、普通方式によることが不可能か著しく困難な場合に、例外的に許されるもので、基本的には遺言は普通方式に則って行われる必要があります。(967条)
次回から、それぞれの遺言の方式についてお話していきます。
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