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遺産相続コラム

遺言について

2016.04.30

 

人は、生きている間、法律行為によって自己の法律関係を自由に形成することができます。さらに人は、自己の死後の法律関係をも事前に定めることができます。その中でも、人が行った意思表示の効力をその人の死後に生じさせる法律行為が遺言となります。

 遺言制度は、遺言者の最終意思(遺言を残す者がその死亡時に最も近い時点で抱いた意思)を尊重し、実現することを目的としています。遺言者の自由意思を尊重するという観点から、遺言をする時点において満15歳以上の者は、単独で有効に遺言をすることができると定められています(民法961条・963条)。

 遺言の自由を保障する為、遺言に対する他人の介入は厳格に排除されます。具体例として、遺言者に代わって代理人が遺言をすることは認められず、遺言の自由に対する侵害行為は相続欠格自由(891条3号~5号)や受遺欠格事由(965条)とされます。また、遺言を残す者の意思の真正性や独立性を確保するために、遺言には一定の方式が要求されています(960条)。

 遺言者は、自身が生きている間はいつでも、また、何度でも、遺言の全部または一部を自由に撤回することができますが(1022条)、その一方で、遺言によって遺産を受け取る者が遺言の撤回に不当に制限をかけるような機会を排除するために、撤回の自由を放棄することはできず(1026条)、これによっても遺言の自由は強く保障されています。

 

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