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遺産分割コラム

相続人に行方不明者がいる場合

2025.01.20

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相続人に行方不明者がいる場合

1.はじめに

相続手続きでは、全ての相続人の意思確認や同意が必要となりますが、相続人の中に行方不明者がいる場合、この手続きが一気に複雑化します。
行方不明者がいると、相続財産の分割協議が進められず、他の相続人にとっても時間や労力が増大し、精神的な負担も大きくなります。
また、行方不明者の権利や財産を適切に保護する必要もあり、慎重な対応が求められます。
今回は、行方不明の相続人がいる場合に、どのような法的手続きや措置が必要となるのかを具体的に解説し、解決への道筋をご説明いたします。

2. 行方不明者の所在調査

行方不明の相続人がいる場合、まず初めに行うべきは「所在調査」です。
相続手続きを進めるためには、すべての相続人の所在を確認しなければなりません。
所在調査の方法としては、住民票や戸籍の確認が基本となります。
市区町村役場で行方不明者の住民票を取得し、最後に登録されていた住所を確認することから始めます。
その住所が有効でない場合は、家族や親族、知人などを通じて連絡先を探すことも検討します。
さらに、インターネットの活用やSNSの検索など、現代的な手法を用いて情報を集めることも有効です。
しかし、これらの手段でも所在がわからない場合、警察に捜索願を提出したり、専門の調査機関に依頼する必要があります。
調査機関を利用する場合、費用がかかることがありますが、早期に相続手続きを進めるためには有益な手段です。
所在調査を行う段階では、弁護士のアドバイスを受けることで、効果的な調査方法を選択することが可能です。
相続人に行方不明者がいる場合

3. 不在者財産管理人の選任

行方不明者の所在がどうしても判明しない場合、次のステップとして「不在者財産管理人」の選任が必要となります。
これは、行方不明者が長期間見つからない場合、その財産や権利を保全し、適切に管理するための法的措置です。
行方不明者がいないままでは、相続手続きが停滞してしまうため、家庭裁判所に対して不在者財産管理人の選任を申し立てることができます。
不在者財産管理人には、行方不明者に代わって財産の管理を行う権限が与えられます。
選任された管理人は、相続財産の分割手続きを進める上で、他の相続人と同様の役割を果たし、必要な決定を行います。
この管理人の選任には、行方不明者の財産を保全し、相続手続きを適切に進めるための責任が伴います。
通常、不在者財産管理人には弁護士などの専門家が任命されることが多く、手続きの複雑さや専門性を考慮すると、最初から弁護士などの専門家に相談することをお勧めします!
不在者財産管理人は、行方不明者の利益を守る立場にあるため、財産の処分や分割についても慎重に対応します。
相続人同士で合意ができない場合でも、管理人が間に入ることで、手続きを進めることができるため、相続人間のトラブルを避けるためにも役立ちます。

4. 失踪宣告

行方不明者の所在が長期間不明であり、所在調査や不在者財産管理人の選任を経てもなお解決に至らない場合、最後の手段として「失踪宣告」を行うことが検討されます。
失踪宣告とは、行方不明者が一定期間不在のままの場合、法律上死亡したものとみなす制度です。
失踪宣告が下されると、行方不明者は死亡したものとして扱われ、相続手続きが正式に進行します。
失踪宣告には、通常7年以上の不在期間が必要とされますが、特別な事情がある場合、例えば災害や事故などで生死不明となった場合には、1年で失踪宣告を行うことができます。
失踪宣告は、家庭裁判所に申し立てを行い、法的な手続きを経て認められるものであり、これにより相続手続きが完了します。
しかし、失踪宣告後に行方不明者が発見された場合、その宣告は取り消され、相続手続きもやり直しになることがあります。
このため、失踪宣告を行う際には、慎重に状況を見極める必要があります。

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5.まとめ

行方不明者が相続人にいる場合、相続手続きは非常に複雑であり、多くの法的手続きが必要となります。
所在調査を行い、必要に応じて不在者財産管理人を選任し、最終的には失踪宣告まで検討することが求められます。
これらの手続きをスムーズに進めるためには、法律の専門家である弁護士のサポートが不可欠です。
当事務所では、行方不明者がいる場合の相続手続きに関して、豊富な経験と専門知識を活かして、依頼者の皆様に最適な解決策をご提案いたします。
相続手続きでお困りの方や、行方不明の相続人に関するご相談がある方は、ぜひお気軽に当事務所にお問い合わせください。
早期のご相談が、スムーズな相続手続きとトラブル回避のカギとなります。
ご相談はお電話やウェブサイトからお受けしておりますので、どうぞご利用ください。

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