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國丸弁護士動画解説ブログ

相続税がかからない財産とは?~生命保険の非課税枠と取扱いの際に勘違いしやすいケース~

2024.02.28


今回は相続税がかからない財産として「生命保険」について、生命保険については非課税枠が相続税の基礎控除とは別にあるという話と、それから非課税枠の取扱いについて勘違いをしやすい点について弁護士がお話させていただきます。

1.生命保険の非課税枠とは?

まず、生命保険の非課税枠についてなのですが、相続税課税の対象となる生命保険については、被保険者が被相続人、保険料の支払いはその全部又は一部を被相続人が行っている、受取人が相続人というケースになります。

そして、生命保険の非課税枠については、500万円に法定相続人の人数を乗じた額というようにされていますので、例えば相続人の方がお二人ですよという場合には1000万円、3人ですよという場合は1500万円までが生命保険の非課税枠が使えますという範囲になってきます。

生命保険の非課税枠

なお、ここでいう法定相続人には相続放棄をされた方も含みますので、相続放棄をしたからといって、この非課税枠が減ったりすることはありません。

そもそも、生命保険が何で相続税の対象になるのか?というところで、非課税枠がいくらかという以前の問題で疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

それについては、生命保険というのは、被相続人が亡くなられたことを理由にして支払いが発生するものなので、預貯金等の財産とは少し性質が異なりはしますが、そういった財産とほとんど一緒でしょうということで、みなし相続財産という扱いになるため、原則生命保険も相続税の範囲に入ってきますよ、相続税の課税対象になりますよというのが前提となっています。

その上で、ただこの500万円×法定相続人の人数についての範囲内の金額の死亡保険金であれば、基礎控除とは別に非課税枠を認めましょうということになります。

2.取扱いの際に勘違いしやすいケース

生命保険は相続税の課税対象になるという話をここまでしてきましたが、ここについて取り扱いについて勘違いをしやすいケースがいくつかありますので、そこについてお話します。

①相続税ではなく所得税の話になる場合

まず1つめが、被相続人が被保険者、保険料の負担と保険金の受取人が相続人というケースです。

?●相続税 ・被保険者…被相続人 ・保険料の負担者…被相続人 ・受取人…相続人 ?●所得税 ・被保険者…被相続人 ・保険料の負担者…相続人 ・受取人…相続人

この場合は、確かに被相続人が亡くなることによって保険金の支払いは発生しますが、保険料を負担しているのは結局受け取る相続人御自身ですので、その場合は単純に所得税の課税の問題になってきます。

つまり、保険料の負担者と生命保険金の受取人が同一人の場合は、問題としては相続税の話ではなくて、あり得るとしても所得税の範囲ですよということになっていきますので、注意が必要です。

②相続税ではなく贈与税の話になる場合

2つめが、被相続人が被保険者、保険料の負担者が相続人、受取人が第三者というケースです。

①相続税ではなく、所得税になる

つまり、被保険者、保険料負担者、受取人がそれぞれ異なりますよというときは、場合によって贈与税の対象になることがあります。

このケースでは保険料を負担している人から、受取人の方に対する贈与というようにみなされる可能性があるということで、場合によっては保険金を受け取った方が贈与税の申告をしないといけなくなることがありますので、その点は注意が必要です。

相続税に関しては、この非課税枠というのをどれだけうまく使っていけるかというのが非常に重要でして、生命保険以外にも基礎控除の枠とまた別に使えるものというのが結構あります。ただ、簡単にできて皆さんが身近で対策がしやすいものとしては、この生命保険が利用しやすいのではないかと思います。

相続において、生命保険を相続税や相続税対策として利用する方法というのはたくさんありまして、そのメリットがいろいろな場面に出てきますが、まず相続対策で生命保険を使いましょう、使ってみましょうとなったときに、最初に話に出てくるのがこの非課税枠というものだと思っていただければと思いますので、少し節税とか相続対策とか考えてみたいな、生命保険が何か使えそうって聞いたことあるな、という方は、まずこの生命保険の非課税枠というものを知ってみて、これ以外で他に何がどう使えるのかというところを考えていかれるとよいかと思います。

福岡で生命保険を使った相続対策をお考えの方、ご自身のケースだとどのような対策を取るのかをご相談されたいという方は、弁護士、税理士が在籍している当事務所へぜひご相談ください。
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