もくじ
1.はじめに
ご家族が亡くなり、土地を相続したものの活用方法がなく、処分したいと悩まれている方は、実は少なくないです。
売却しようにもどのようにしたらいいのか分からない場合や、遠方に住んでいて利用する予定のない場合、きちんと管理するには時間的・経済的負担が大きいなどの理由で処分したいがどうすれば分からず、ずっと所有してしまっている方も多いのではないでしょうか。
また、土地を所有し続けることで毎年「固定資産税」を支払わなければなりません。
結果として土地を相続したことによって余計な支出が増えてしまうことにもなってしまいます。
そういった理由から、相続した土地を手放したいというときに、その土地を国に引き渡すことのできる、「相続土地国庫帰属制度」という制度があります。
この制度では、相続または遺贈によって宅地や田畑、森林などの土地の所有権を相続した人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国に引き渡す(国庫に帰属させる)ことができます。
弊所では「相続土地国庫帰属制度」の申請手続代行を行っております。
今回はこちらの制度を活用し、不要な土地を処分された方の解決事例を紹介いたします。
※「相続土地国庫帰属制度」に関する詳細については以下の弊所の特設サイトをご覧ください。
https://nexillpartners.jp/law/sozoku/tochi_kizoku/
2.ご相談事例
父から相続したが活用方法のない土地を処分したい
相談内容
父が1年前に亡くなりました。
その際に父が所有していた土地を相続しました。
かつては近隣に居住していた父がその土地にて畑作をしておりましたが、父が病気になり入院してからは畑作もやめ、活用することのない土地となっていました。
私は結婚し、遠方に住んでいるため、その土地を頻繁に訪れることも出来ないので、現在は数か月に1度訪問し、草取り等の手入れを行っていますが、時間と費用がかかるばかりで大変な為、できるだけ早く処分したいと考えています。
- 所在:香川県の住宅街(市街化区域・用途地域の指定なし)
- 地目:畑
- 面積:250㎡程度
土地の情報
3.弁護士の対応
①土地の情報をヒアリングし、申請書の作成
申請書には規定の画角からの現地写真や添付書類など必ず提出しなければいけない資料がいくつかあるため、ご相談者様に担当スタッフより詳しくご説明を行いながら資料のご提出をお願いし、申請書の作成を行います。
※現地写真の撮影を当事務所にて代行することも可能です(要交通費+日当)。
実際にご依頼者様からいただいたその土地の情報(写真や登記情報など)をもとに「相続土地国庫帰属制度」の申請要件に満たしている土地なのかを適宜管轄法務局に問い合わせを行うなどして確認し、申請書の作成を行いました。
②管轄法務局による事前相談
こちらの制度では申請時に、申請費用として土地1筆当たり14,000円の審査手数料を納めなければなりません。
しかし、申請後にその土地が「相続土地国庫帰属制度」の要件を満たしておらず、申請が却下されることとなっても審査手数料は返金されないため、注意が必要です。
そのような事態を極力避けるために、弊所では法務局にて行っている事前相談(対面相談or電話相談)にて作成した申請書の確認を受けた上で、申請を行うようにしております(ただし、この相談は、申請が認められることを担保するものではありません。)。
③管轄法務局に申請
完成した申請書を管轄法務局へ提出します。
申請が受理されると、法務局からの問い合わせや進捗状況の報告などの連絡があるため、弊所が窓口となって対応し、ご相談者様に共有を行いながら審査結果を待ちます。
制度が開始して間もなく、実務上の運用がまだ固まってはいないため何ともいえませんが、審査にかかる期間は、半年から1年程度と想定されています。こちらのご依頼でも半年程度の時間を要しました。
④国庫帰属の承認、負担金の納付
審査の結果、国庫帰属の承認が決定しましたので、ご依頼者様にて負担金を納付いただきます。
負担金額はその土地の地目や面積、周辺地域の状況により異なりますが、今回のケースですと、20万円の負担金で承認という結果となりました。
納付が完了した時点で、土地の所有権が国へと移転し、すべてのお手続が完了となりました。
4.本件での成果
今回のご相談では、お父様から相続した不要な土地を処分されたいとのことでした。
弊所にて「相続土地国庫帰属制度」の申請代行でご依頼いただいたことで、不要な土地を処分することが出来ました。
ご依頼様としてもこれまでこちらの土地の手入れに要していた時間的負担、経済的負担からも解放され、今後も毎年数万円支払い続けることとなっていた固定資産税の支払いもなくなるため、大変満足して頂けました。
不要な不動産を抱え続けると、それが代々受け継がれることにより、次世代にも影響してしまうことが考えられます。こういった問題は、分かっていても動きだせず、時間ばかりが立ってしまいがちですので、問題意識を持ったのであればすぐ動き出すことをお勧めします。新しくできた制度をぜひ活用しましょう。
ご相談事例・解決事例の掲載について
事例回答はあくまでご参考となります。
実際にご自身のご相談で同じ結論になるかどうかは、個別の判断が必要となります。
当事務所の初回無料相談をご利用いただき、個別のご相談および弁護士からのアドバイスをお受けください。
※弁護士又は弁護士法人の場合、所属弁護士会を経て国税局長に通知することで、その国税局の管轄区域内において税理士業務を行っており、当事務所所属弁護士も通知届出を行っております。
KOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)
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