「相続が発生した際、何から始めれば良いのでしょうか?」
家族が亡くなり相続が発生した際にどんな手続きをいつまでに行うべきか?初めて行う相続手続きに不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな方々に向けて、「故人が亡くなり、4カ月以内に行わなければならない相続手続きの流れ」についてご紹介致します。
死亡届の提出
死亡届の届け出人は、「親族・親族以外の同居者・家主・地主・家屋又は土地の管理人・後見人・保佐人・補助人・任意後見人」と戸籍法で定められています。死亡の事実を知った日から7日以内(国外での死亡の場合は、死亡の事実を知った日から3カ月以内)に、「故人の死亡地・本籍地」「届出人の所在地」の区役所あるいは市町村役場のどちらかへ死亡届を提出します。
届け出は、「書類作成まで」を法律上では意味しております。その為、葬儀社など代理人の提出でも問題はございません。
相続人の確定
「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、 この限りでない。」と民法第896条では定められており、相続手続を行う際、相続人の確定はとても重要とされています。
相続人は、以下二通りに分かれており、被相続人の戸籍を遡って相続人の確定を行います。
②血族相続人(養子も含まれます。)
ご自身で戸籍を遡り確定を行う際は、相続人が欠けていないか、細心の注意を払いましょう。万が一、遺産分割を行うとなった際、相続人が一人でも欠けていると遺産分割が無効となってしまいます。
相続財産の確定
「相続財産」とは、相続人に包括承継される権利義務のことを意味し、民法第896条では「相続人は相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」と定められています。
しかし、被相続人の権利全てが相続財産に含まれるというわけではありません。
例を挙げますと
①生命保険金・死亡退職金
…被相続人の死亡により発生するが、相続人等の固有の権利(※なお、「生命保険金・死亡退職金」は、みなし相続財産として相続税(税法上)では「課税財産」となります。)
②扶養請求権・雇用契約上の労働債務・生活保護受給権・親権夫婦間の契約取消権など
…「一身専属権」と呼ばれる、個人の才能や人格、個人としての法的な地位や他人が取得・行使することのできない権利
これらは、どれも相続財産には含まれない権利です。
では、相続財産には、どのような物が含まれるのでしょうか?
こちらも例を挙げますと
2.被相続人が残した借金・未払い金・葬儀費用など
相続財産には、金銭的な価値に変えられる物の全てが含まれます。
しかしながら、必ずしも①のようにプラスとなる財産だけが相続財産に含まれるわけではございませんので相続財産の確定時にはマイナスの財産がないかも確認しておく必要がございます。
遺産分割・相続税申告・相続税納付を行うには、まず相続財産の確定を行う必要があります。相続税申告・相続税納付には、相続開始から10カ月以内と期限が設けられております。可能な限り早く相続財産の総額を把握することが、その後の遺産分割や相続税申告の手続きをスムーズに行うための鍵となります。
今回の記事では、「死亡届の提出」~「相続財産の確定」までの流れを紹介させていただきました。後編は、まだ紹介しきれていない相続手続きについてご紹介させていただきますので、是非、そちらもご確認ください。