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遺産相続コラム

遺言執行の妨害と遺言執行者の解任について

2020.12.19

遺言執行者の解任遺言執行者を遺言で指定した場合、相続開始後に就職した遺言執行者は「相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の権利義務」を持つことになります。

遺言の内容を実現する手続きが相続人の協力がなくてもできます。
相続人は遺言執行者による遺言の執行を妨害することは許されません。

これは法律でも決められており(民法第10134条)、また、この場合には、相続開始後相続人は、遺言執行者が就任する前でも遺言に反する処分をすることはできません。これに違反した処分行為は絶対的に無効です。

したがって、遺言者の遺志を確実に実現させたいとのであれば、「相続させる遺言」でも、紛争の予防的に遺言執行者を指定する意味はあります。

遺言執行者に「任務を怠ったときその他正当な事由があるとき」は、相続人らの利害関係人は遺言執行者の解任を家庭裁判所に請求することができます。

例えば、遺言執行者がいつまでも財産目録を交付しない、相続人からの求めに対してまったく対応しない、というときは「任務を怠ったとき」に当たるので、遺言執行者の解任を求めることが可能です。

また、相続人全員の信頼を得られないことがあきらかであるとして、相続人からの解任請求を認めた裁判例もあります。

遺言執行者として、弁護士が指定されている場合も多いです。弁護士は所属弁護士会の監督を受け、品位を失うべき非行があった場合は懲戒を受けることになっています。例えば、弁護士である遺言執行者が一部の相続人に格別誘致な取扱いを図り、公正さを欠く場合、所属弁護士会に対して懲戒を請求することも可能です。

実際、懲戒が認められたケースも多いです。もっとも、解任請求も懲戒請求も、弁護士を相手にするのは躊躇すると思いますので、事前に他の弁護士か所属弁護士会に相談されることをお勧めします。

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