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相続一般

相続財産管理人選任申立の要否を検討する際の実務上の留意点について

2020.09.20

相続財産管理人の選任申立の要否については、以下のような観点から検討をすることとなります。

相続財産管理人が相続財産を管理・清算するための費用について

相続財産の量があまり無い場合、相続財産の管理、清算が行えないことになるため、十分な相続財産がそもそもあるかどうかをあらかじめ確認することが重要となります。

相続財産管理人を選任した後の目的達成の見込み

仮に相続財産管理人を選任したとしても利害関係人の利益保護の観点等からその目的(債権回収等)の達成が見込まれる可能性が高ければ相続財産管理人選任申立手続きを行う意義が認められますが、逆に目的達成の見込みが低い場合には相続財産管理人選任申立を行うことを断念するという結論に至ることも有りえます。

相続財産管理人選任申立に際して発生する費用

相続財産管理人が業務を進める中で最終的に相続財産が残ればそこから相続財産管理人の報酬が捻出され、申立手続き時に申立人が納めた予納金のうち残金が払い戻されることもあります。

ただ、その予納金の大部分は相続財産管理人の報酬であり、相続財産の管理・清算のために支出される金額は僅かです。
相続財産に余りが生じなければ予納金は返金されないため、多額の予納金が返金されない前提で計画を立てた方が良いでしょう。

また同時に、「そこまでの費用・期間をかけてでも相続財産を管理・清算する必要があるか」という視点で考えることも必要となります。

相続財産がある程度存在していることが事前に把握できているか

相続財産管理人選任申立を行うにあたって、その相続財産が少額であったとしても手続きを進めることは可能です。
しかしながら、実際には官報公告費用として約4万円が発生するため、相続財産の額によっては経費だけで相続財産が無くなってしまう可能性も0ではありません。

相続財産管理人が選任されたとしても、相続財産が無くなってしまうとその業務は終了してしまうため、当初の目的(債権回収等)を達成する前に資金が尽きてしまうと費用倒れとなってしまうこともあります。
ですので、事前の財産調査は慎重に行う必要があります。

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