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弁護士コラム

遺言の方法

2020.04.20

遺言の方法には普通方式と特別方式がありますが、前回は特別方式による遺言の方法をご説明しましたので、今回は普通方式遺言(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)についてご説明致します。

 

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、全文を自筆で書き上げる遺言書のことです。紙とペンと印鑑があれば簡単に作成することができますし、費用も掛かりません。

また、証人の立ち会いも必要ありませんので、相続人や親族などに遺言書の存在を秘密にしておくことも可能です。しかし、上述のように、全文を自分で記入する必要がありますので、遺言書の内容次第ではとても時間がかかってしまうでしょう。

また、代筆等の遺言書の方式に不備がある場合は、せっかく作成した遺言書が無効になる可能性がありますし、変造、偽造、または騙されて遺言を作成されたとしても、そのことに相続人が気づきにくいことも考えられます。

さらに、自筆証書遺言の場合は、管轄の家庭裁判所で検認手続きを経なければなりませんので、遺言執行の手続きを開始するまでに時間がかかってしまうこともあります。

 

公正証書遺言

公正証書遺言とは、遺言者が公証人に遺言の内容を相談しながら、公証人の面前で遺言の内容を口授し、それに基づいて公証人が、遺言者の真意を公的な文書として遺言書を作成するものです。

法律の専門家と一緒に遺言書を作成するため、遺言の内容が無効になることが少なく、家庭裁判所の検認手続きも必要ありません。

自筆遺言証書と異なり、公正証書では、自分で署名をするのが難しい場合でも、公証人が遺言者の署名を代筆することが法律で認められています。

さらに、遺言書の原本は公証役場に保管されているため、遺言書を他人に書き換えられる心配もありません。

しかし、遺言書の内容を秘密にすることはできず、公証人とは別に2人以上の証人が必要です。また、公正証書の作成には費用がかかり、その手数料は遺言者の財産の価格や、公正証書遺言のページ数によって決まります。

詳細は公証役場のHPに記載がありますので、そちらをご確認下さい。

 

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言書を自分で作成した遺言書に封印をして、封書を公証人及び証人2人の前に提出し、その遺言書が存在することを公に記録してもらう遺言です。

秘密証書遺言の場合、名前の通り遺言の内容を秘密にすることができます。

また遺言書の全てを自筆で記載する必要はありませんので、パソコンで作成することや第三者による筆記も可能です。しかし、公証人が遺言書を保管してくれるわけではないため、紛失する恐れがあります。

また、公証人は、その遺言書の内容を確認することはできないため、遺言書の内容に法律的な不備があったり、紛争の種になったり、無効となってしまう可能性があります。加えて、自筆遺言証書と同様に家庭裁判所の検認手続きが必要になりますので、遺言執行までに時間がかかることがあります。

さらに、秘密証書遺言作成には手数料が1万円程度かかりますので、作成する場合は費用の面も気にしておくと良いでしょう。

 

このように遺言書の作成には様々な方法があります。

作成の費用面や執行までの時間などを考え、どの方法がご自身に合っているか検討してみてください。分からないことがあれば、まずは専門家に相談しましょう。

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