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成年後見

障がいのある子のための相続②

2020.09.07

知的障がいや精神障がいのあるお子様を残して両親に万が一のことがあったとき、その子供をどうさせるか、という「親なき後問題」に備えた相続の説明の第2回目です。
前回は、親が元気な内から「親なき後問題」に対策をする必要について説明しました。

今回は、前回説明した法定後見人が就任した場合の不都合を避ける方法の1つとして、任意後見制度の利用を説明させて頂きます。

まず、後見人には、法定後見人ではなく、任意後見人という制度があります。
任意後見人は「判断能力がない」とされる前にあらかじめ本人が後見人と契約を結ぶことで、成立します(これを「任意後見契約」といいます。)。
公証役場でも認めていますが、子どもが未成年の間は、親権のある親が子供の代わりに任意後見契約を結ぶことができます。
任意後見契約を利用して、障がいのある子どものことを理解してくれているであろう身内(例えば、障がいのある子の兄弟姉妹など)にその子どもの財産管理を頼むことができます。

父親と母親がそれぞれ親権を使って任意後見人になるという方法も提唱されていますが(「親心後見」※一般社団法人日本相続知財センター本部と一般社団法人実家信託協会の登録商標)、父母は互いに利益が衝突するものとされ、親権者に代わる者を特別代理人として選任するよう求められる場合があります。

法定後見人と比べると、任意後見人には、本人のした契約への取消権がないため、詐欺まがいの契約を本人がした際に任意後見人がその契約を取り消せない点がデメリットといえます。

法定後見人よりは柔軟な財産管理ができるとはいっても、任意後見が開始されるとき、後見監督人が就くため、任意後見人が自由に財産管理をすることができません。また、後見監督人に支払う報酬が必要です。

後見監督人に支払う報酬は、法定後見人に支払う報酬よりは大分安くなるので、法定後見人への報酬で子供に残す財産を減らさないという点では、任意後見契約を考える価値はあります。

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