遺言書には「普通方式遺言」と「特別方式遺言」の2種類があり、普通方式遺言には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があます。今回は、公正証書遺言と秘密証書遺言についてお話します。
日本公証人連合会の発表によれば、平成30年に全国で作成された遺言公正証書は11万471件。
平成21年に全国で作成された遺言公正証書は7万7878件なので、約10年の間に70%も増加しています。遺言公正証書の作成は年々増加傾向にあるようです。
公正証書遺言は公証人が法律で定められた方式に従って作成し、原本を公証役場で保管してもらう方法で作成します。証人2人以上の立会が必要であること、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授することなど要件がありますが、作成と保管を専門家である「公証人(公証役場)」が行うため、後日の紛争防止にもなり、紛失の問題もありません。
これまでは、相続開始後、検認手続が不要であったり、紛失のリスクもなくなるので、手間や費用がかかっても公正証書で作成した方が良いと言われていました。
しかし、上記のとおり、自筆証書遺言でも、保管制度により検認の手続きが不要となり、弁護士に相談すれば内容面での心配もなくなるので、手が不自由な場合など、自筆証書遺言書の作成が難しい場合は、公正証書遺言で作成することが良いと思います。