相続税の支払いが少なくなれば、遺された家族や親族は助かるだろう。
良かれと思って相続税対策をしたはいいものの、独断での行動は、後に問題を残すことも。
そんなことにならないように、相続人を交えて話し合い、しっかりとした「終活」をしておきましょう。
とはいえ、「何を話し合えばいいの?」という方もいらっしゃるかと思います。
今回は節税に絡めて押さえておきたいポイントをご紹介します。
相続財産を整理し、明らかにしておく
事前に相続財産がどれだけあるか、把握して相続人に伝えておくことは大事です。
特に、お金を銀行に預けず家の中で保管していらっしゃる方はいませんか?
いわゆるタンス預金と呼ばれるこの行為、相続税申告のことを思えばお勧めできません。
もしも死後、多額のタンス預金が見つかったら、そのまま相続税の課税財産として計算に入れられてしまいますし、「他にも隠しているのでは?」「一部が誰かが持ち去ったかも…」など、残ったご家族の余計な不安の元になります。
「税務署にバレなければ問題ない」…なんて思うのは間違いです。
税務署は過去に遡り、ご家族の口座の入出金や場合によってはご自宅の中まで調べますので、必ずバレますし、タンス預金による脱税は犯罪。見つかったら重いペナルティが課せられてしまいます。
様々なご事情があるかもしれませんが、ご自身の財産は明らかにしておき、ご家族共々、ご心配のない老後を過ごしたいですね。
事前に財産分割の相談を!
相続財産を整理したら、次に相続人を交え、財産分割について話し合っておきましょう。
申告時の相続人の負担を減らせるだけでなく、後の争いを避けることもできます。
また、事前に財産分割について話し合うことで、相続人に有利な状況を残してあげられることもあります。
例えば、相続税には1億6000万円の配偶者控除があるので、配偶者にすべての(あるいは多くの)財産を相続させれば節税に繋がります。
しかしその配偶者が亡くなった時、二次相続では相続税が多額に発生する可能性がありますので、専門家に相談しながら、どのような選択をするか、話し合っておきたいものです。
相続財産の中に不要な不動産や土地がある場合も、処分をどのようにするのか話し合う必要があるでしょう。
先祖代々受け継いできたけど、現在は使っていないし使う予定もない…
そのまま相続すれば相続税も低くて済むけれど、その後の管理にお金や手間がかかり、却って迷惑になってしまった、というケースもあります。
それならばいっそ、事前に土地や不動産を売却して現金化してしまうのも一つの手です。
たいていの場合、評価額よりも高い金額での売却になるので、相続財産は増えてしまいますが、財産分割がしやくすくなったり、相続人の方の納税資金として使用できるとうメリットがあります。
どのような形で残しておくのがいいのか。
どのように財産を分割するのがいいのか。
被相続人である自分だけでなく、受け取る方の事情や心情も含めて決めておきたいですね。