子どもが障害を持っていて将来が心配です
お子さんが障害を持たれており、自分の財産をどう残したらいいかを心配され、ご相談に来られる方が多くいらっしゃいます。
内閣府の統計発表によると、”身体障害・知的障害をお持ちの方は全人口の約5%”で、当事務所へも、「自分が亡くなった後の子どもの将来が心配だ」というご相談に来られる親御さんが多数いらっしゃいます。
参考文献:障害者の状況(内閣府)
遺言書だけでない体制整備を
ご事情があり、お子さんの将来が不安だというご家庭では、遺言書を作って財産を残すだけではなく、残した財産がお子さんのためにきちんと使われる体制整備が必要です。
もちろん、残された財産を自分のみでしっかりと管理できる程度であれば預貯金などを残すだけで大丈夫ですが、そうでなければ対策を別途考えていかなければいけません。
お子さんが困らないように遺産を残していたのに、適切に使うことができず、結果生活が困窮してしまうというケースもありますので、事前準備を整えておきましょう。
家族信託を使って本人の財産管理を代わりにやってもらう
金銭的な部分の管理が自力では難しい場合、家族信託を使って財産管理面をカバーします。
家族信託は、何のためにこのお金を使ってもらうかを定めたうえで財産を預け、預かった人にその目的の範囲で財産管理を行ってもらうという仕組みです。
お子さんに障害がある場合、以下のような役割で家族信託を組むことが多いです。
・受益者…対象となるお子さん
・受託者…親族など別の人(受益者の財産を預かってあげる人)
例えば、ご両親、長男、次男のご家族がいらっしゃり、そのうち次男に障害があって財産管理が難しそうな場合、委託者を父親、受託者を長男、受益者を次男とした家族信託を組みます。
信託を組む際は、生活費、施設費用など、次男のために何にどれだけお金を使ってほしいのかを父親が先に決めたうえで、次男に残しておきたい財産を長男に預けることになります。
こうすることで、父親が決めた目的の範囲であれば、長男が次男に代わって財産管理ができるようになるのです。(もちろん、長男は次男のお金を自分のために使うことはできません。)
家族信託を使った対策はお任せください
お子さんに障害がある場合の相続対策についても、当事務所では多数ご相談をお受けしています。
ご相談の際に詳しくお話をお伺いし、お子さんの状態や親御さんの意向、財産状況など複数の視点から検討し、最善の対策方法をご提案しております。
早めの対策が大事になりますので、まずはご相談にてお話を聞かせてください。
事前に対策を取っておくことで、障害が理由でお金の管理ができなかったり、訳が分からないまま浪費してしまったりということを防ぐことができます。
自分が亡くなった後のお子さんの将来や生活が心配だという方は、遺言書だけでなく家族信託も合わせて組んでおきましょう。