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相続登記をする前に相続人が亡くなった場合の手続について

2026.10.19

はじめに

不動産の所有者が亡くなった場合、その不動産を相続した方へ名義を変更するために、相続登記を行う必要があります。
しかし、相続登記をしないまま長期間が経過し、その間に相続人の一人が亡くなってしまうこともあります。このように、最初の相続に関する登記が完了する前に、次の相続が発生することを「数次相続(すうじそうぞく)」といいます。
数次相続が発生した場合、通常の相続登記とは異なり、複数の相続関係を確認する必要があります。
今回は、数次相続の基本的な仕組みや、相続登記を進める際の注意点について解説します。

 

1.数次相続とは

数次相続とは、ある方が亡くなって相続が発生した後、その遺産分割や相続登記が完了する前に、相続人が亡くなり、さらに相続が発生することをいいます。
例えば、父親が亡くなり、その相続人が母親と長男、次男であったとします。
父親名義の不動産について相続登記をしないまま、長男が亡くなった場合、長男が有していた父親の遺産に関する権利や地位は、原則として長男の相続人に引き継がれます。
そのため、父親の不動産について遺産分割協議を行う際には、長男の相続人も関係することになります。
このように、相続が重なることで、最初の相続では関係していなかった方が遺産分割協議に参加する場合があります。

 

2.数次相続が発生した場合の相続登記

数次相続が発生した場合でも、相続関係を確認し、必要な手続を行うことで相続登記を進めることができます。
まず重要になるのは、それぞれの相続について、誰が相続人となるのかを正確に確認することです。
最初に亡くなった方の相続人だけでなく、その後に亡くなった相続人についても、相続関係を調査する必要があります。
また、不動産を誰が取得するのかについて、関係する相続人の間で遺産分割協議を行う場合があります。
なお、数次相続においては、相続関係や遺産分割協議の内容などによって、中間の相続人名義への登記を省略し、最終的に不動産を取得する方へ直接登記できる場合もあります。
ただし、すべての数次相続で中間の登記を省略できるわけではありません。具体的な相続関係に応じて、登記の方法を検討する必要があります。

 

3.数次相続の登記に必要となる書類

数次相続による相続登記では、一般的な相続登記と同様に、戸籍謄本などの書類が必要になります。
主な書類としては、次のようなものがあります。

  • 最初に亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等
  • その後に亡くなった相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
  • 現在の相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票や戸籍の附票など
  • 不動産を取得する方の住民票
  • 遺産分割協議書や印鑑証明書(必要な場合)

 

実際に必要となる書類は、相続関係や登記の方法によって異なります。
数次相続では、複数の方について戸籍を確認することになるため、通常の相続登記よりも収集する書類が多くなる場合があります。
特に、相続が発生してから長い年月が経過している場合には、古い戸籍をたどる必要があることもあります。

 

4.相続登記を長期間行わなかった場合の注意点

相続登記をしないまま長期間が経過すると、さらに相続が発生し、関係する相続人の人数が増える可能性があります。
相続人が増えると、遺産分割協議のための連絡や意思確認に時間がかかることがあります。また、相続人の一部と連絡が取れない場合などには、手続が複雑になることも考えられます。
さらに、令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。
原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する必要があります。
義務化以前に発生した相続も対象となっており、令和6年4月1日より前に相続による不動産の取得を知っていた場合、原則として令和9年3月31日までに相続登記を行う必要があります。
正当な理由なく申請義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
数次相続が発生している場合には、相続ごとの状況によって確認すべき事項が異なるため、登記の期限についても注意が必要です。

 

5.まとめ

相続登記をする前に相続人が亡くなった場合には、数次相続として、複数の相続関係を整理する必要があります。
数次相続では、最初の相続人だけでなく、その後に亡くなった相続人の権利を引き継いだ方も関係するため、相続人の範囲や遺産分割協議の内容を正確に確認することが重要です。
また、相続関係によっては登記手続を簡略化できる場合もありますが、具体的な事情に応じた判断が必要となります。
相続登記を長期間行わずにいると、さらに相続が発生して手続が複雑になることもあります。
不動産を相続した際には、できるだけ早い段階で相続関係を確認し、必要な登記手続を進めておくことが大切です。

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