| 業種 | 不動産業 |
|---|---|
| 企業規模 | 従業員50名以上 |
| カテゴリ | 風評被害・企業間紛争・コンプライアンス |
| 担当弁護士 | 中山 恵 |
| ご契約方法 | フレックス顧問契約 |
ご相談時のご状況
不動産の売買・管理等を行う不動産会社である顧問先様が所有する土地について、造成工事を進めようとしたところ、隣地所有者の代理人弁護士から、工事内容や隣地への影響に関する説明を求める通知書が届いたことをきっかけにご相談いただいた事案です。
隣地所有者側としては、顧問先様が予定している工事により、自身の土地や既存構造物に影響が生じるのではないかという不安を抱いており、工事内容や安全性について、書面での説明を求めていました。
一方で、顧問先様としては、今回の工事は自社敷地内で行うものであり、必要な確認を行いながら適切に進めている工事であるため、隣地に悪影響を及ぼすものではないと考えていました。もっとも、相手方は代理人弁護士を通じて通知書を送付してきており、顧問先様としても、今後の工事に支障が生じることや、近隣トラブルが長期化することを懸念されていました。
そこで、顧問先様から、相手方代理人への回答方法や、造成工事を円滑に進めるための対応についてご相談いただきました。
解決・改善に向けた当事務所のアドバイス・対応
当事務所では、まず相手方代理人から届いた通知書の内容を確認し、相手方がどの点に不安を抱いているのかを整理しました。
本件では、単に「工事に問題はありません」と回答するだけでは、相手方の不安を解消することが難しい状況でした。土地の造成工事では、工事内容、隣地との位置関係、安全性、境界付近の処理など、専門的な内容が含まれるため、相手方に対しても分かりやすく説明する必要がありました。
そこで当事務所は、顧問先様から工事の概要や土地の状況についてヒアリングを行い、相手方に説明すべき事項と、法的に回答すべき範囲を整理しました。その上で、当事務所が代理人として、相手方代理人に対し、工事の概要、隣地への影響に関する顧問先様の見解、今後の対応方針などを記載した連絡文書を作成・送付しました。
その後も、相手方代理人からは複数回にわたり追加の質問や確認事項が寄せられました。これに対し、当事務所では、その都度、顧問先様に事実確認を行い、必要な範囲で回答を重ねました。もっとも、書面でのやり取りだけでは相手方の理解が進みにくい部分もあったため、顧問先様側から現場で直接説明する機会を設け、工事内容や相手方が懸念している点について説明を行いました。現地での説明により、相手方が不安に感じていた点について一定の理解が得られ、顧問先様として対応可能な事項についても整理することができました。その後、当事務所では、相手方代理人との連絡窓口として、工事の進捗や対応状況について必要な範囲で報告を行いました。
最終的には、顧問先様が予定していた造成工事を進めることができ、近隣住民である相手方との間でも、大きな紛争に発展させることなく対応を終えることができました。
適正な事業運営にあたってのポイント
不動産会社が土地の造成工事や開発工事を行う場合、隣地所有者との間で、工事内容、境界、安全性、騒音、振動、排水、既存構造物への影響などをめぐるトラブルが発生することがあります。
このような場面では、相手方の不安に配慮しつつも、企業側として法的にどこまで説明・対応すべきかを整理することが重要です。説明が不十分であれば、相手方の不安が大きくなり、工事の差止めや損害賠償請求などの紛争に発展するおそれがあります。一方で、相手方の要望に際限なく応じてしまうと、工事が進まなくなったり、企業側の負担が過大になったりする可能性もあります。
本件では、当事務所が代理人として窓口となり、相手方代理人からの質問や要望を整理した上で、顧問先様の見解を文書で丁寧に伝えました。これにより、顧問先様が直接感情的なやり取りに巻き込まれることを防ぎ、冷静に協議を進めることができました。また、相手方の要望をすべて受け入れるのではなく、対応できる部分と対応できない部分を明確に区別し、法的義務の有無、実務上の対応可能性、近隣関係への配慮を踏まえた対応方針を取ったことも、工事を大きく遅らせることなく進めることができた要因といえます。
不動産会社にとって、造成工事や開発工事は事業の進行に直結する重要な場面です。近隣住民から申入れを受けた場合や、相手方弁護士から通知書が届いた場合には、初動対応を誤ることで、工事スケジュールに大きな影響が出ることもあります。
当事務所では、不動産会社の顧問先様に対し、土地・建物に関する近隣トラブル、境界問題、造成工事に関する紛争対応、相手方代理人との交渉など、事業活動に支障が生じないよう実務的なサポートを行っています。近隣住民から工事に関する申入れを受けた場合や、相手方弁護士から通知書が届いた場合には、早期に弁護士へ相談することで、工事の遅延や紛争の長期化を防ぎ、適切な解決に繋げることが可能です。不動産に関する近隣トラブルや造成工事をめぐる対応でお困りの際は、是非当事務所にご相談ください。
