「経営理念ってなに?③~ビジョン編~」
前回は「ミッション」についてお伝えしました。
前回の記事はこちら:経営理念ってなに?②~ミッション編~
今回は「ビジョン」について書きたいと思います。
経営理念の3つの要素
①ミッション
②ビジョン
③バリュー
ビジョンと言うと、「思い描く将来の姿」をイメージされるかと思います。
経営理念におけるビジョンも、それに近いものになります。
前回のブログでも書きましたが、独立したての社労士を例にすると「求めるニーズを的確に掴みながら、モチベーションアップに繋がる人事評価制度を構築し、働きがいのある組織風土を作るお手伝いをします」これはミッションの例です。
それに対して、「社長の片腕となり信頼される社労士になる」という想いがビジョンになります。
読んでお分かりかと思いますが、ミッションはお客様に向けた使命感を言葉にしたものです。
ビジョンはと言うと、自社がどんな状態になりたいのかを言葉にしたものです。
ビジョンには、大きく2つの捉え方があります。
①計画化されたビジョン(経営計画)
一定の期間経過後において、達成したい売上や利益、企業規模を数値化したり、提供するサービスや解決すべき課題などを言語化したものです。
計測可能であることから、ビジョンを達成したかどうかが明確になります。
②言語化されたビジョン
ステークホルダー(事業に関わる全ての人)に良い影響を与えることを通じて、自社がなりたい理想の状態を言葉にしたものです。
経営計画に比べて抽象度は高いですが、伝えたいことが簡潔に言語化されているため、子供から大人まで読んだ誰もがイメージできるものとなっています。
②の言語化されたビジョンを作った後に、それの具体的な裏付けとして①の計画化されたビジョンを作成していくことが一般的です。
そのため、先ほどの社労士の例を取り上げますと「社長の片腕となり信頼される社労士になる」という言語化されたビジョンを実現するために、下記のような計画化されたビジョンを考えていくことになります。
・活動地域はどうするのか?
・片腕になった状態とはどんな状態なのか?
・どんな会社と付き合いたいのか?
・何社と契約したいのか?
・どのように集客するのか?
・上記を実現するために必要な資金はどれくらいか?
・ビジョン達成と言えるための売上、顧客数、社員数は?
上記のような計画を固めていくことで、ビジョン実現への道筋が明確になっていくのですが、やはり②の言語化されたビジョンは、企業の特徴や独自の世界観が言語化されていて非常に面白いので、具体的な事例を見ていくことにしましょう。
お客さまとともに成長する“九州No.1”バンクを目指します。
まずはじめに、西日本シティ銀行のビジョンです。 金融サービスを通じてお客様のニーズに応えていきたいという高い志と、地方銀行として今まで地域に貢献してきた誇りを胸に抱きながら、常に時代の変化に合わせたサービスを提供していくこと。またお客様の成長支援を行っていきながら、自分達も九州ナンバー1の銀行に成長していきたいという上昇志向が感じられる情熱的なビジョンで、とても素敵だと思います。
これは、ソフトバンクグループのビジョンです。
先ほどの西日本シティ銀行の舞台設定は九州でしたが、ソフトバンクは世界を舞台設定にしています。
情報革命で人々の幸せに貢献することで、世界の人々から最も必要とされる企業グループとなることを目指しています。
とてつもなくスケールが大きなビジョンなので、自然と高揚感が高まりますね。
世界のエンターテイメント・リーディングカンパニーを目指します。
これは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのビジョンです。
私も2回ほど遊びに行ったことがありますが、ハリウッド映画をテーマとしているだけあって、日本にいながら海外の雰囲気を味わうことができますね。
しかも、アトラクションと映画の世界をリンクさせるための様々な仕掛けがあり、エンターテイメントとして最高でした!
3社の事例を紹介しましたが、3社とも自社がどのような状態になりたいのかを、読んだ誰もが分かるように言葉にしています。
「ビジョン」のイメージがなんとなく掴めたのではないかと思います。
他の企業のビジョンも調べるととても興味深いので、皆さんもぜひ色々な会社のビジョンをチェックしてみてください♩
今回はビジョンについてお話しをしましたが、次回はバリューについてお話しをしますので、お楽しみに♪
社会保険労務士法人菰田総合コンサルティングでは、企業向けに社員面談や管理職研修、経営者向けに理念策定と浸透のサポート等の人事コンサルティング業務も行っております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。