雇用保険ってなに?②
前回のブログでは、雇用保険の給付の中でも一番メジャーな「基本手当」について説明をしました。
前回の記事はこちら:雇用保険ってなに?①
今回は、それ以外の手当てについて簡単に解説しますね。
これは育児休業期間中にもらえるお金のことです。
出産の8週間後から子供が1歳になるまでの約10カ月の間に会社をお休みすることを育児休業と言います。その期間は子育てに専念するためお仕事をしない方がほとんどだと思います。
一方で、休んでいる間は仕事をしないので会社からお給料はもらえません。そうしますと、ご主人さんのお給料だけに頼って生活をするしかなくなり、家計としては非常に苦しくなります。
そんな苦しい家計を応援するためにできたのが育児休業給付金です。
最初の約6カ月はお給料の約67%、残り4カ月間はお給料の50%がもらえます。
例えば25万のお給料をもらっている人は最初の6カ月は約16万円、残りの4カ月は約12万円もらえるということなんです。
「お金がもらえて嬉しい!」と思いきや、何か不満を感じませんか?
「6カ月後になんで給付金が減るのよ!」という不満です。
実際にこのような不満を子育て中のお母さんからよく聞きます。
確かに最後まで67%の給付率でもらい続けることが出来たら嬉しいですし、途中で下がるのは嫌ですよね。
なぜこのように不満を感じる制度になっているのかを検証するために、この給付金が誕生してから現在に至るまでの変遷を辿ってみましょう。
何か見えてくるものがあるかも知れません。
実はこの給付金ができた平成7年当時の給付率は25%でした。今に比べて少ないですよね。
ただ、この後ハローワークはめちゃくちゃ頑張ってくれるのです。
子育てするお母さんを更に応援しようと、平成14年に40%、平成19年には暫定的に50%までアップさせたのです!
そして平成26年には最初の6カ月間に限りなんと67%にアップしてくれました!
このハローワークの仕事っぷりに全国の子育て中のお母さんたちはきっと拍手喝采だったでしょう。
さて、このような変遷から見えてくるのは、途中で下がるという捉え方は実は間違いで、最初の6カ月が増えたというのが正しい捉え方だということです。
ハローワークは期間の途中から給付率を下げたのではなく、頑張って最初の期間の給付率をアップしてくれたというのが真実なのです。
ですから、昔この育児休業給付金を40%でもらっていたお母さんからしたら、今の給付金の金額は実はとてもうらやましいのです。
ハローワークが長い年月をかけながらコツコツと頑張って給付率をアップしてくれたのに、今だけを切り取って不満を言われてしまうのはちょっとかわいそうですね。
では、次回のブログでも他の給付金について解説していきますね。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。