社員の定着に欠かせないのは『承認』です④
今回のブログでは「Iメッセージ」を更に進化させたバージョンについてお話しをします。
「〇〇+△△+Iメッセージ」という合わせ技があるということを前回のブログで紹介しました。
さて『〇〇と△△に入る言葉は何でしょう?』
〇〇は「事実」
△△は「意味(価値や意義)づけ」
です。
なので
「事実+意味(価値や意義)づけ+Iメッセージ」
という合わせ技になります。
例文を紹介します。
1.「あなたの笑顔は職場を明るくしてくれます。私も元気をもらえます」という承認は次のように分解できます。→ 「あなたの笑顔(=事実)」+「職場を明るくする(=価値)」+「私も元気をもらえる(=Iメッセージ)」
2.「あなたは毎日コツコツと課題に取り組んでいますね。必ずいつか実を結びますよ。頼もしさを感じます」→ 「毎日コツコツと課題に取り組む(=事実)」+「いつか実を結ぶ(=意味)」+「頼もしさを感じる(=Iメッセージ)」
2つ例文を挙げてみましたが、いかがだったでしょう?
「なるほど!」と思う方もいれば、「難しいそう」と感じる方もいらっしゃると思います。
おそらく普段から意識しない限りスラスラと言えるようにはならないでしょう。
しかし、今はITが発達し、社員間でもチャットやメールでやり取りをすることが増えたので逆にチャンスです!
話すという行為は瞬間的に思ったことを口に出すので、常に承認しようという思考を持っていない限りなかなか口から出てこないと思います。
ところがチャットやメールをする際は一度書く内容を頭の中で考えたり、送信する前に見直したりしますよね?
その時が承認をアウトプットできるチャンスなのです!
見直した文章の中に承認を差し込めそうな文脈があれば差し込んで、アウトプットの練習をしてみましょう。
加えて言うと、このことにはチャットやメールに感情や抑揚が存在しないことによる無表情の文章に温かみをもたせる効果もあります。
是非チャレンジしてみましょう!
「世の中のいざこざの因(もと)になるのは、奸策(かんさく)や悪意よりも、むしろ誤解や怠慢だね」というゲーテの言葉があります。
簡単に説明すると、『「一言」を怠けるから人と人が気まずくなる』という意味で、別の言い方をすると『「言わなくてもわかる」はあり得ない』ということです。
「〇〇という一言をあの時に言っておけばこんなことにならなかったのに」ということを皆さんも一度は経験されたことがあるのではないでしょうか?
承認はゲーテの言葉を長期的なスパンで捉えたものと考えることができます。
承認は瞬間的に効果があるものではありませんので、積み重ねていくことが大事です。
当然に承認をしないという行為も瞬間的に悪影響があるものではありませんが、承認しないことが積み重なることで好ましくない状況を生み出しやすくなります。
承認がない環境にいる人は、下りのエスカレーターを目的もなく独りぼっちで登っているような感覚に陥り、やがて登るのを諦めてしまい、問題を起こしやすくなってしまいます。
その結果、モチベーションが低下したり、新しいことにチャレンジしなくなったり、自分の正当性を主張するために原因を周りのせいにしたりするようになります。
そうならないためにも部下や同僚、あるいはフィードバックを受けにくい年齢になった年配者に承認を伝え、多くの人を下りのエスカレーターから昇りのエスカレーターに乗せ換えさせてあげられるようになりたいものですね。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。