コーチングってなに?④
前回はコーチングにおいて大事になる「ラポール」の形成の方法についてお話しさせていただきました。
前回の記事はこちら:コーチングってなに?③
今回はコーチングの具体的な型について、詳しくお伝えしたいと思います。
一概にコーチングと言ってもやり方は様々あり、学んでいくとその奥深さに驚きます。
それを全て学ぼうとするととてつもない時間が必要になりますので、今回は再現性が高く、誰でもできるコーチングの型についてお話しをしますね。
その型というのは、具体的に次のような流れで質問をしていくだけです。
2.現状は?
3.理想の状態は?
4.理想状態になるための条件(解決策)は?
ひとつずつ見ていきましょう。
コーチングの具体的な型
1.解決したい課題にタイトルをつけるとしたら?
コーチングのテーマとして扱いたいことをおおまかに把握するために、コーチは相談者に「今回のコーチングで解決したいことのタイトルはなんですか?」と質問します。
とてもシンプルな質問ですが、実はこのタイトル決めがコーチングにおいて非常に重要になります。
なぜなら、人は悩みを言語化できていないことが多く、自分の悩みがなんなのかを明確に伝えることがなかなかできないからです。
そのため 、この質問をしても相手からなかなかタイトルが出てこないこともありますが、そこは焦らず話を聴いてあげてタイトルが出てくるまで話を促してあげましょう。
ただし、タイトルが決まったとしても、実はそれが本当のタイトルではない、つまり偽のタイトルの場合もあります。
これは相談者本人も悩みどころがどこなのか分からず、一旦口にしただけのタイトルだったりします。
コーチングを進めていく中で悩みや情報が整理され、真のタイトルが見えてきますので、最初の段階ではタイトルの真偽は気にしないようにしましょう。
コーチングの途中で「あれ、最初のタイトルと違う悩みだな」と感じた時は「本当のタイトルは○○ではないですか?」と質問し、解決すべきタイトルを明確にしていくようにしましょう。
2.現状は?
その人が今おかれている状況を把握するための質問です。
この現状を聴くことによって、次の3.の理想の状態が把握しやすくなります。
そして理想と現状のギャップが明確になります。
ただ、出来ていないことよりも、出来ていることを先に聴くようにしましょう。
出来ていないことを聴いてもなかなか上手く説明ができなかったり、その原因が分からなかったりしますので、雰囲気が重くなりがちです、
出来ていることについては上手く説明ができたり、なぜ出来ているかの答えが分かっていたりしますので雰囲気が良くなります。
また、出来ていることについて先に聴くことで、出来ていないことについての原因が見えてきたりします。
そのため、出来ていることから先に聴くようにしてみてください。
3.理想の状態は?
その人がどんな状態を希望しているのかを把握するための質問です。
ここはできるだけ具体的に聴くようにしましょう。
ただ、理想については相手も言葉数が多くなるので、取っ散らかる可能性があります。
そのため、次のようなことを意識しながら、時には質問を交えながら聴いてみてください。
・その理想の状況は計測可能か?
・その理想の状況は達成可能か?
・その理想の状況は適切か?
・その理想の状況になるための期限はあるか?
この5つを言語化していくことで、理想の状態がより明確になっていきます。
4.理想状態になるための条件(解決策)は?
2.と3.により理想と現実が明確になることにより、両者の間にギャップが生まれます。
そのギャップを埋めながら理想の状態に到達するために、どんな条件が必要かを整理するための質問です。
ただ、自分の枠組みの中での発想だけで考えてしまうことにより思考がピタッと止まってしまうことがあります。
そのため、次の3つの視点❶能力❷行動❸環境で整理してもらうようにしてみてください、
「コミュニケーション能力を高めたい」というタイトルを例に考えてみましょう。
❶能力
自分にどんな能力があれば解決できるか?を考えてもらいます。
・コミュニケーションスキルを学ぶ
・傾聴力を磨く
・ボキャブラリーを増やす
このように能力を高める方法を考えてもらいます。
❷行動
自分がどんな行動をすれば解決できるか?を考えてもらいます。
・話したい相手の行動を観察し会話のネタを見つける
・話をするネタをスマホにメモしておく
・会話の機会を増やすため積極的に話しかける
このように自分の行動を変えることで解決する方法を考えてもらいます。
❸環境
自分の周りの環境をどう変えれば解決できるか?を考えてもらいます。
・カフェでお茶を飲んだりご飯を食べたりしながらお話しをする
・居酒屋でお酒を飲みながらお話しをする
・リラックスできる音楽をかけながらお話しをする
このように、自分の置かれている環境を変える方法を考えてもらいます。
あまり努力が必要ないため、簡単で効果的です。
上記の1.~4.を図にすると次のようになります。
そのため、コーチングを行う際は、上記のようなイメージを頭の中で描きながら進めていってください。
ヒアリングしながら図のような形になるようにホワイトボードに書いて、それをお互いに見ながら進めていくと視覚化できるため更に効果的です。
今回はコーチングの型について解説しました。
まずはこの型に当てはめながらコーチングを進めていってみてくだ さい。
では、次回はコーチングを進めていく上で大切になる「質問の仕方」について解説していきたいと思います。
お楽しみに♪
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