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取締役に辞めてもらうには?

1.はじめに

取締役に辞めてもらいたいと考える場合、いくつかの選択肢があります。
ただし、会社にとってリスクが発生し、デメリットとなるケースもあるため、それぞれの事案に応じて適切に検討する必要があります。

2.三種類の取締役の辞め方

取締役が辞めるには3つの種類があります。
それぞれ、退任・辞任・解任と異なりますので、区別が必要です。


退任とは、取締役の任期が満了することによって、いわば自動的に取締役としての役目を終え、取締役でなくなるケースです。取締役の任期は、通常は選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされていますが、会社によっては任期が10年まで伸長されていることがありますので、定款を確かめてみましょう。
辞任とは、取締役が任期の途中で自分の意思で取締役を辞めることを意味します。
解任とは、辞任と同じく任期の途中で取締役でなくなる方法ですが、会社の方から任期の途中で取締役を辞めさせることを指します。

3.解任の注意点

取締役の解任は、株主総会で取締役の解任の決議をすれば、会社はいつでも取締役を辞めさせることができます。

ただし、いつでも辞めさせることができるとはいえ、解任された取締役は、その解任について「正当な理由」がある場合を除いて、会社に対して解任によって生じた損害について損害賠償請求することができます(会社法339条2項)。

事案によっては、解任された取締役から残存任期期間の役員報酬を損害賠償として請求されるリスクが生じますので、注意が必要です。
また、解任の決議は法律を守って手続きを進めることが重要になります。解任の決議までに不備があると、解任の決議が無効とされるリスクも生じますので、ルールをしっかり守って進める必要があります。

取締役が辞任する場合は、解任のようなリスクを抱える必要がありません。辞めてもらいたい取締役と話し合いをして、適任ではないことに納得してもらい、自らの意思で辞任してもらうよう促すのもひとつです。
また、辞めてもらいたい取締役の任期が残り少ない場合は、任期満了まで待って取締役を退いてもらう方法もあります。
この場合、再任の決議をしなければ、任期満了と同時に取締役は自動的にその地位がなくなります。

4.まとめ

辞めてもらいたい取締役がいる場合、会社から解任するには一定のリスクが発生するケースがあります。

そのため、辞任や任期満了による退任も視野に入れながら、そのリスクを考慮した適切な選択をする必要があります。
いかがでしたでしょうか?ご参考になれば幸いです。
 

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