親が所有していた土地や建物を相続したものの、名義を変更しないままになっているケースも見受けられます。例えば、実家の不動産について「家族の間では自分が相続したことになっているから問題ない」と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、不動産の名義が親のままになっている状態には、いくつかのリスクが存在します。今回は、親名義のまま不動産を放置しておくことの主なリスクについて解説します。
不動産の売却や活用がスムーズにできない
まず大きな問題となるのが、不動産の売却や活用がスムーズにできないことです。不動産の売却や担保設定などの手続きを行う場合、原則として登記簿に記載されている名義人本人の手続きが必要になります。
名義が亡くなった親のままである場合、売却や担保設定を行う前に相続登記を行う必要があります。急いで売却したい事情があっても、相続人の調査や必要書類の収集などに時間がかかることがあり、すぐに手続きを進められない場合もあります。
時間が経つほど手続きが複雑になる
次に注意が必要なのが、時間が経つほど手続きが複雑になる可能性がある点です。親が亡くなった後に相続登記を行わないまま長い年月が経過すると、その間に相続人の中でさらに相続が発生することがあります。
例えば、親の相続手続きをしないまま子の一人が亡くなった場合、その人の配偶者や子どもも新たな相続人として関係してくることになります。このように相続人の人数が増えると、遺産分割の話し合いが難しくなり、手続きに必要な書類や合意も増えていきます。
相続人同士の関係が変化する可能性
相続発生直後であれば、兄弟姉妹などの間で状況を把握していることが多いものです。しかし、年月が経つにつれて、相続人同士の関係や生活環境が変化することもあります。
例えば、遠方に住むようになったり、連絡が取りにくくなったりすることもあります。その結果、遺産分割の話し合いに時間がかかることや、手続きに必要な協力が得られにくくなるケースもあります。
相続人の所在が分からないケース
相続人の中に所在が分からない人がいる場合には、手続きが一層難しくなることがあります。もし、相続人と連絡が取れない場合には、家庭裁判所での手続きが必要になることもあり、このような状況になると、解決までに時間や手間がかかる可能性があります。
相続登記の義務化にも注意
近年は、相続登記に関する制度も変化しています。相続によって不動産を取得した場合には、一定期間内に相続登記を行うことが義務とされています。
これまでのように「とりあえず名義はそのままにしておく」という考え方では対応できない場面も増えてきています。不動産を相続した場合には、早めに状況を確認し、必要な手続きを検討することが大切です。
まとめ
親名義の不動産をそのままにしておくと、将来の手続きが複雑になる可能性があります。売却や活用の場面で手続きが必要になることも多く、時間が経つほど関係者が増えて調整が難しくなることもあります。
相続が発生した際には、不動産の名義がどうなっているかを確認し、状況を整理しておくことが大切です。早めに対応しておくことで、将来の手続きを円滑に進めやすくなります。