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住宅ローンが終わった後の抵当権抹消


ご自宅を購入してから数十年後、住宅ローンの返済が終わると、金融機関に担保として設定されていた抵当権を抹消する手続きが必要になります。
この抵当権抹消の登記手続きを済ませることで、ようやく所有者が完全なものになるといえます。
抵当権抹消の登記とは、このように住宅ローンの完済後に、住宅などに設定されていた抵当権を抹消するための登記手続きを指します。
住宅ローンの返済が終わったからといって、抵当権が自動的に抹消されることはありません。
以下に、抵当権抹消の流れとポイントを説明します。

1. 抵当権とは

抵当権は、金融機関が貸し付けた住宅ローンの返済を担保するために設定する権利です。
もし返済が滞った場合、この抵当権に基づいて、金融機関は担保である不動産を競売にかけ、貸付金を回収することができます。
住宅ローンを完済した後はこの抵当権を抹消し、不動産の所有権を完全な状態にします。
確かに返済は完了しているため、その抵当権が原因で自宅が競売にかけられることはありません。
住宅ローンをすべて返済したからといって安心し、抵当権設定の登記をそのまま放置してしまう方も少なくないようです。
ご自宅などを売却する際には、返済が完了していても、抵当権がついたままの不動産を売却することは通常ありません。
売却の前(または同時)に必ず抵当権の設定登記を抹消する必要があります。

2.抵当権抹消手続きの流れ

① ローン完済後に必要な書類を受け取る

住宅ローンを完済すると、金融機関から「抵当権解除証書」や「委任状」などの抹消手続きに必要な書類が発行されます。
この書類が揃って初めて、抹消手続きが可能になります。

② 登記申請の準備

登記申請は管轄法務局で行い、必要書類と共に申請書を提出します。
書類には、抵当権解除証書(金融機関が発行)、委任状(金融機関が発行、司法書士が代理で手続きを行う場合に使用)、登記識別情報(登記済証)などがあります。

③ 司法書士への依頼

登記手続きを司法書士に依頼する場合。
司法書士は依頼者に代わり、法務局での手続きを進めます。
司法書士に依頼することで、書類に不備があった場合でも、スムーズに対応できます。

④ 法務局での登記手続き

法務局に申請を行うと、審査が行われ、抹消の登記が完了します。
この処理は通常、数日から1週間程度で終わり、完了すると抵当権が抹消され、登記簿上も制限のない所有権となります。

3.抵当権抹消後の確認方法

登記が完了したら、不動産の登記簿(登記事項証明書)を取得し、抵当権が抹消されていることを確認します。
司法書士に抵当権抹消登記を依頼した場合は、司法書士事務所が登記簿を取得するケースが多いと思われます。

4.最後に

いかがでしたでしょうか。
今回は抵当権抹消登記についてポイントを解説しました。
抵当権を抹消することで、将来的に不動産を売却したり、新たに担保にしたりする際にスムーズに手続きが進められます。
また、抵当権が残ったままだと、所有権が制限されるため、早めの抹消が推奨されます。
お困りの際は身近な司法書士にご相談ください。

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