事業承継

  • 事業承継
  • <HOME

事業承継

事業承継は、企業が次世代に向けて成長を続けるための重要な過程です。しかし、後継者の選定や資産の引き継ぎ、相続税対策など、多岐にわたる課題を適切に解決するには専門的な知識が欠かせません。
当事務所では、法務・税務・労務の各分野の専門家が一丸となって、事業承継の計画立案から実行までを包括的にサポートします。スムーズな移行を実現するための的確なアドバイスと、将来を見据えた継続的な支援が可能ですので、事業承継に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

事業承継とは?その基本とメリット・リスク

事業承継の基本概念

事業承継の定義と対象範囲

事業承継とは、企業の経営資源を次世代に引き継ぐことを指し、単に経営者の交代に留まりません。株式や不動産などの資産はもちろん、従業員、取引先との関係、経営ノウハウ、企業文化など、目に見えない資源も対象となります。これらすべてを円滑に引き継ぐことで、企業は事業の連続性を保ちながら発展する基盤を確立できます。

事業承継が必要となる場面

事業承継が必要になる場面として、経営者の高齢化や健康問題が最も一般的ですが、その他にも急な退任、経営者の死去、相続トラブルなどが挙げられます。また、後継者の不在や企業価値の維持が難しくなった場合にも、事業承継の検討が必要です。特に中小企業では、早期に計画を策定することが、安定した経営を実現する上での鍵となります。

適切な事業承継が企業にもたらすメリット

経営の安定と成長の継続

計画的な事業承継により、企業は経営の停滞や混乱を避けることができます。後継者が適切な経営を継続できれば、これまでの経営基盤を維持したままで、安定した成長を実現することが可能です。

社員や取引先との信頼関係の維持

後継者を育成し、段階的に経営を引き継ぐプロセスは、従業員や取引先との信頼関係の維持に大きく関わってきます。信頼関係を損なわずに承継手続を進めることで、経営交代に伴う不安や混乱を最小限に抑えられます。

事業承継に伴うリスクの例

経営の停滞や混乱

事業承継の準備不足が原因で、後継者が不在または未熟な状態で経営を引き継ぐと、意思決定の遅れや組織内の混乱が発生します。

相続トラブルによる事業の分断

相続による親族内の事業承継では、相続人間での財産分配に関するトラブルが発生しやすく、場合によっては事業の継続が困難になる可能性もあります。

廃業やM&Aの失敗による影響

適切な事業承継計画が立てられていない場合、事業承継自体が頓挫し、最悪の場合は廃業に至るケースもあります。特にM&Aの場合、適切な買い手を見つけられなければ、企業価値が大幅に低下するリスクがあります。

事業承継の種類と選択肢

親族内承継

親族内承継のメリット・デメリット

親族内承継は、経営者の親族に会社の経営を引き継ぐ方法で、企業の理念や文化を継承しやすいという大きなメリットがあります。特に、経営の方針が一貫している企業では、スムーズな承継が期待できます。しかし、親族内承継にはデメリットも存在します。たとえば、後継者が経営能力や意欲を欠いている場合、承継後の経営が不安定になる可能性があります。また、相続を理由とした親族内承継の場合、相続税の負担が企業資金に影響を及ぼすことも懸念されます。

親族内承継における後継者教育と経営移譲のポイント

親族内承継を成功させるには、後継者教育が欠かせません。特に、経営に関する知識やスキルの習得を段階的に進めるとともに、経営権を移行させる過程での従業員や取引先からの信頼を維持することが重要です。ここについては、一気に権限移譲をしてしまうのではなく、現経営者が後継者に経営を徐々に委ねることで、リスクを分散しながら移行を進めることができます。

社内承継(従業員・役員への承継)

社内承継のプロセスと課題

社内承継は、従業員や役員から後継者を選定し、段階的に経営権を移行する方法です。この方法をとる場合、後継者選びの透明性を確保し、適切な育成計画を策定することが求められます。既存の従業員から後継者を選出する場合、後継者候補の従業員が現状担っているポジションでの人材不足や内部競争による摩擦が発生する懸念もあるため、人選は慎重に実施する必要があります。

社内承継において内外での信頼関係を維持するための工夫

社内承継にて選出された後継者が組織内外での信頼を獲得するには、現経営者からの適切なサポートや、従業員間での意識共有が欠かせません。定期的なミーティングや教育を通じて、経営方針やビジョンを社内全員で共有することが重要です。

外部承継(M&Aを活用した事業承継)

M&Aによる承継のメリットと留意点

M&Aを活用した事業承継は、資金力や事業拡大の意欲がある買い手に企業を引き継ぐ方法です。これにより、現経営者が持つ資産価値を最大化し、従業員や取引先の利益も守ることが可能です。一方で、買い手選定や契約条件の調整には専門的な知識が必要です。

外部承継における適切な買い手選びのポイント

M&Aを活用した外部承継にて、適切な買い手を選ぶためには、事業継続性や企業文化の共通点、買い手の財務状況や成長戦略を慎重に分析する必要があります。信頼できる専門家の助言を受けながら進めることが成功の鍵となります。

事業承継の進め方とステップ

現状把握と課題の整理

経営資源(ヒト・モノ・カネ)の棚卸し

事業承継を進める第一歩は、現在の経営資源の棚卸しです。具体的には、人材、設備、資金、取引先関係など、企業の成長に必要な要素をリストアップし、それぞれの現状を正確に把握します。このプロセスを通じて、どの資源が強みで、どの部分がリスクや課題となっているかを明確化します。特に、取引先や従業員との関係性の深度を確認し、後継者がスムーズに関係を引き継げるよう準備を進めることが重要です。

法的・税務的リスクの特定

次に、企業が抱える法的および税務的なリスクを洗い出します。たとえば、労働法や取引契約に関する法的リスク、過去の未解決トラブル、さらには相続税や贈与税に関する負担が挙げられます。これらのリスクを事前に特定し、専門家の助言をもとに対策を講じることで、事業承継後のトラブルを防止できます。

承継計画の策定

中長期的な承継スケジュールの作成

事業承継は、数年単位の計画が必要です。中長期的なスケジュールを策定し、準備段階から実行段階までの各フェーズで取り組むべき課題を明確にします。計画には、後継者教育のタイミングや、従業員や取引先への説明時期も含めると効果的です。

適切な後継者の選定と育成

後継者の選定は事業承継の最も重要な要素の一つです。親族内承継であれ、社内承継であれ、候補者のスキルや意欲を評価し、経営に必要な知識や能力を段階的に育成する必要があります。また、信頼関係を築くために、経営者交代を関係者に早めに知らせることが大切です。

実行段階の留意点

承継手続きの法的側面

実行段階では、株式や資産の移転に伴う法的手続きが重要です。たとえば、株式譲渡や契約変更に必要な書類の準備、取締役会での決議など、細かな手順を計画的に進める必要があります。

税務対策と資産の引き継ぎ

税務対策は、承継の成功を左右する重要な要素です。事業承継税制の適用を受けるための準備や、資産分割による相続税負担の軽減など、専門家の助言を受けながら進めることが重要です。

事業承継と相続対策の関連性

相続税が事業承継に与える影響

高額な相続税による経営資金の圧迫

相続発生をきっかけとする事業承継の場合、相続税は企業の財務状況に大きな影響を与える可能性があります。特に、資産の多くが不動産や設備などの流動性が低い形で保有されている場合、高額な相続税が経営資金を圧迫し、事業運営が困難になるリスクがあります。このような状況を避けるために、事前に相続税額をシミュレーションし、適切な対策を講じることが不可欠です。

相続税の優遇制度(事業承継税制)の活用

日本には、事業承継税制という制度があり、一定の条件を満たすことで相続税や贈与税の負担を大幅に軽減できます。具体的には、後継者が10年以上会社を経営し続けることを条件に、税額が猶予されるため、この制度を利用することで、事業承継の負担を最小限に抑えられます。

遺留分問題とその対策

相続人のうち特定の1人に会社を含むすべてを相続させて事業を継いでほしいと考えていたのに、後継者候補以外の相続人からの遺留分の請求により事業の引継ぎに関してトラブルに発展してしまうケースがあります。事業継続の資金を含めて、後継者候補に適切な相続がされない場合は事業継続が難しくなってしまう場合もあるため、生前から遺言書を作成する、弁護士に相談のうえで遺留分に対する対策を生前から進めておくなどの対応が必要です。

当事務所の相続・事業承継における一体的サポート

税務・法務の一括対応

当事務所は、弁護士だけでなく税理士も在籍しているため、相続税や事業承継税制の活用、法的手続きの整備を一括でサポートします。この体制により、複数の専門家を別々に依頼する必要がなく、スムーズな承継が実現可能です。

遺留分対策を含む紛争予防のための法的アプローチ

将来的な相続発生時を見据えて、適切な事業承継が行えるように遺言書の作成や生前の遺留分対策など必要な法的サポートを行います。また、万が一紛争が発生してしまった際は、弁護士が代理人として迅速に対応を行います。

事業承継を専門家に依頼するメリット

事業承継を進めるうえでは、主に以下の観点により専門家に適切なサポートを依頼することが重要となります。
・法的リスクの最小化と円滑な手続進行
・税務負担の軽減と経営資源の最適化

当事務所の事業承継サポートの特徴

ワンストップ支援体制の強み

当事務所では、弁護士・税理士・社労士が一体となったワンストップ支援体制を取っております。事業承継においては、法的な契約手続きや税務対策、労務管理の変更など、多岐にわたる専門知識が必要です。それぞれの分野の専門家がチームで対応をすることで、複雑なプロセスを一元的に管理でき、迅速かつ効率的な事業承継支援が可能になります。

法務と税務を統合した戦略的サポート

事業承継の成功には、法務と税務の観点を統合した戦略が欠かせません。当事務所では、後継者選定や相続税対策、事業承継税制の適用を含む包括的な計画を策定します。また、承継後の運営が円滑に進むよう、取引先や従業員との関係性を重視したアプローチも提供します。このようなサポートにより、事業承継に伴うリスクを最小限に抑えつつ、企業の長期的な成長を支援します。

当事務所が提供できる具体的サービス

事業承継計画の策定と実行支援

当事務所では、現状分析を基にした承継計画の策定から、実行段階のサポートまで一貫して対応します。一例として、後継者教育や社内調整、株式移転手続きなど、事業承継を進めるうえで必要な手順について、内容に応じて適切な士業が対応を行います。

M&Aサポート(買収契約書の作成・交渉代行)

外部承継を希望する場合には、M&Aを活用した事業承継を支援します。適切な買い手選定から契約書の作成、価格交渉まで、各段階で専門的なサポートを提供します。

相続対策と事業承継税制の適用支援

相続税の負担を軽減するための最適な方法を提案し、事業承継税制の適用条件を満たすための具体的な対策を講じます。これにより、経営資源の円滑な引き継ぎを支援します。

当事務所の事業承継サポート事例

【事例1】親族内承継による事業引き継ぎ成功

概要:創業50年の製造業における事例

ある中小製造業では、経営者の高齢化に伴い、息子に経営を引き継ぐ計画が立てられました。しかし、親族内での相続トラブルが懸念されており、税務面でも課題がありました。

支援内容:後継者教育、税務対策、相続紛争の予防

当事務所は、後継者に対する経営教育をサポートするとともに、事業承継税制を活用した税務対策を実施しました。また、親族間での事前合意形成を支援し、遺言書の作成を含む遺留分対策を実施しました。

効果:経営のスムーズな移行と信頼関係の維持

その結果、後継者はスムーズに経営を引き継ぎ、従業員や取引先との信頼関係も維持されました。さらに、相続税負担が軽減され、財務的な安定性も確保されました。

【事例2】M&Aによる外部承継の成功事例

概要:事業継続が難しい中小企業の事例

従業員数30名の小売業で、後継者不在により廃業の危機に直面していました。事業承継の一環として、M&Aを通じて外部承継を検討しました。

支援内容:買い手企業の選定、契約締結、交渉代行

当事務所は、複数の買い手候補から条件に合った企業を選定。契約書の作成と交渉を代行し、従業員の雇用維持を条件に交渉を進めました。

効果:高い売却価格での合意と従業員雇用の確保

結果として、企業価値を最大化した売却価格での合意が成立。従業員の雇用も継続され、買い手企業のもとで新たな成長を遂げています。

事業承継に関するご相談は弁護士法人Nexill&Partnersへ

事業承継は、親族内承継や社内承継、M&Aなど、どの形態を選択する場合でも、リスクを最小限に抑えたうえで、経営者と後継者双方にとってベストな形での承継を実現することが重要です。複雑な事業承継手続を円滑に進めるためには、経営資源の引き継ぎだけでなく、法務・税務・労務の課題を一貫して解決する必要があります。
当事務所では、弁護士・税理士・社労士・司法書士が在籍するワンストップ体制により、包括的なサポートを行っています。後継者選定から資産移転、M&Aまで、企業ごとのニーズに応じた柔軟な解決策をご提案しますので、事業承継についてお悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

050-5799-4475 受付時間:9:00~18:00
Web予約 24時間受付