整備すべき事項①:法務・コンプライアンス

上場における法務・コンプライアンス整備の重要性

上場における法務・コンプライアンス整備の重要性

プロマーケットへの上場準備において、法務・コンプライアンスの整備は、会社の体制・意思決定・事業運営のあり方そのものが問われる領域であり、上場準備の初期段階から計画的に取り組む必要があります。

特にプロマーケット(東京プロマーケット(TPM・TOKYO PRO Markert)/福岡プロマーケット(FPM・Fukuoka PRO Market))では、数値基準以上に、「企業として適切に管理・統制されているか」という観点が重視されるため、法務・コンプライアンス面の整備が上場準備全体の土台となります。

上場時に法務・コンプライアンス面がチェックされる理由

上場企業は、株主・投資家・取引先・従業員など、多くの利害関係者を抱える存在となります。そのため、上場にあたっては、 下記のような点が審査において厳格に確認されます。


●法令違反や重大な法的リスクを内包していないか

●経営判断や業務執行が、適切なルールのもとで行われているか

●問題が発生した場合に、是正・再発防止ができる体制があるか


これは、過去に問題がなかったかという点だけでなく、将来にわたって適正な運営が期待できるかを確認するための意味合いもあります。

J-Adviser/F-Adviserの役割と関与方法

プロマーケット上場においてJ-Adviser(FPMではF-adviser)は、法務・コンプライアンス体制について、個別の是正を実際に推進・実行する立場ではなく、「説明可能性・統制状況を確認する立場」として関与します。

具体的には、契約書や社内規程等の細部を実際に修正する作業を請け負うのではなく、下記のような点がクリアできているかを会社側に網羅的に確認していく作業を行います


●現在の体制が上場基準に達する形で構築されているのか

●法的リスクをどのように把握し、管理しようとしているのか

●問題が生じた場合に、どの部署がどのように対応するのか


そのため、上場を目指す会社側の方で、法務・コンプライアンス面で確認すべき事項・是正すべき事項を把握し、現状の把握と是正対応が必要な部分の対応までを行ったうえで、J-Adviser/F-Adviserに対して上場に適している状態であることを説明しなければなりません。

個別具体的な是正対応を1から10までJ-Adviser/F-Adviserが実施してくれるわけではないことには注意が必要です。

法務・コンプライアンス面で整備すべき事項

では、具体的に自社で整備・修正対応等が必要となりやすい点はどういった点でしょうか?
ここでは、J-Adviser/F-Adviserへのご相談段階で、企業として大枠を決めておく必要がある整備すべき事項の例をご紹介します。

コーポレートガバナンスの強化

プロマーケット上場準備におけるコーポレートガバナンスの整備とは、単に「取締役会を置く」「規程を作る」といった形式対応ではなく、会社の意思決定が、規定の手順で適切に行われていることを外部に説明できる状態にすることを意味します。

具体例としては、下記のような項目が挙げられます。


●取締役会・経営会議など、重要な会議体の役割分担

●どの事項を、誰が、どの会議で決定しているのか

●重要な意思決定について、議事録や記録が適切に残されているか


オーナー企業や成長企業では、実態としては代表者に判断が集中しているケースも少なくありませんが、上場準備においては、その判断が組織のルールに沿って実行されていることが明確に説明できることが重要となります。

法的リスクの評価と対策

過去から現在にかけて存在する法的リスクについて、把握・整理・対応方針が検討されているかも重要なポイントです。

たとえば、「係争・紛争の有無」「潜在的な契約トラブル」「労務・個人情報・業法違反のリスク」などについて、「問題があるか・ないか」だけでなく、問題が発生した場合にどう対応するかまで整理しておくことが求められます。

なお、過去に実際にトラブルがあった場合でも、そのこと自体が直ちに問題となるわけではありませんが、その経緯や再発防止策を説明できない状態は、上場準備上のリスクと評価されやすくなります。

情報開示体制の整備

上場企業には、適時・適切な情報開示が求められます。

そのため、どの情報を、誰が把握し「誰が開示判断を行い」「どのように外部へ発信するのか」といった情報の流れを整理しておく必要があります。

重要な情報が現場で抱え込まれず、管理部門を経由して経営判断・開示判断につながる運用が実際に機能しているかが重視されますので、再現性のある開示体制を構築することが求められます。

各種契約の見直しと整備

上場準備の過程では、これまで使用してきた契約書や取引条件が上場企業として適切かどうかが確認されます。
特に下記の点は法務DDの中で指摘を受けやすいポイントのため、注意が必要です。


●契約内容と実態の乖離

●リスク分担が不明確な契約

●属人的な合意に依存している取引


すべての契約を一律で締結しなおす必要はありませんが、リスクがありそうな部分については重点的に確認をしておきましょう。

【要チェック】プロマーケット上場で指摘を受けやすいポイント

【要チェック】プロマーケット上場で指摘を受けやすいポイント

ここからはプロマーケット市場への上場に特化して、特に指摘を受けやすい点についての具体例をご紹介します。
指摘後に改善を行う際には多くの時間を要する内容もあるため、早い段階から確認をして改善に向けた対策を検討しておく必要があります。

ポイント①:企業の透明性確保のための内部規定の整備

就業規則、決裁規程、コンプライアンス規程などの内部規定が、形式的に存在するだけで、実態と乖離しているケースは少なくありません。
内部規定はあるが実際の運用が担当者ごとに異なっていたり、その都度社長判断をしていたりするような場合は、上場審査に備えて今後の運用方法の統一が必要です。

ポイント②:過去の法的問題や未解決の法的リスク

過去に発生したトラブルや、現在進行形の法的課題について、整理・説明が不十分な場合、上場審査において懸念材料となります。
一定の範囲で遡って当時の状況等を確認されることがありますので、法的リスクが見込まれる部分は早期に洗い出し、対応方針を明確にしておくことが不可欠です。

ポイント③:開示準備の徹底

コンプライアンスや情報開示の観点では、問題や重要事項が発生した際に、経営層が把握できる仕組みになっているかが重視されます。

現場で発生したトラブルが経営層まで適切に報告されていない」「管理部門・経営層報告すべき情報が明確に決められていない」というような状態は、上場準備において大きなリスクとなります。
これらが曖昧な場合、上場企業としての管理体制に問題があると指摘されることがありますので、この辺りが明確になっていない場合は審査までに是正対応を行ってください。

Nexill&Partnersでサポートできること

Nexill&Partners Groupでは、プロマーケット上場を見据えた企業に対し、法務・コンプライアンス面の事前整備を中心とした支援を行っています。


●上場準備を前提とした法務DD

●コーポレートガバナンス体制の整理

●契約・規程の見直し

●労務・コンプライアンスを含めた横断的な整理


など、法務・労務に精通した弁護士が実務に即して関与します。具体的なサポート内容については、別ページで詳しくご紹介しています。

法務・コンプライアンスの事前整備は当グループにご相談ください

法務・コンプライアンスの整備は、上場直前になってまとめて対応できるものではありません。

多くの場合、「日常業務の運用」「組織内の役割分担」「判断の仕方や記録の残し方」 といった会社の中の仕組みや運用を全体的に見直す必要があります。

「何から着手すべきか分からない」「J-Adviser/F-Adiviserに相談する前に、現状を整理したい」 という段階からでも、お気軽にご相談ください。

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