整備すべき事項④:ガバナンス・組織体制

上場におけるガバナンス・組織体制整備の重要性

上場におけるガバナンス・組織体制整備の重要性

プロマーケット市場への上場準備において、ガバナンス・組織体制の整備は、会社が「誰の判断で、どのように運営されているのか」を外部に説明するための基盤となります。

プロマーケット市場(東京プロマーケット/福岡プロマーケット)では、一般市場のような画一的なガバナンス要件は課されていないため、「形式的に機関を設置しているか」よりも、実態としてガバナンスが機能しているかという観点での整備が求められます。

上場時にガバナンス・組織体制がチェックされる理由

プロマーケット市場への上場にあたって、ガバナンス・組織体制が確認されるのは、上場後も安定して会社運営を続けられるかを見極めるためです。

具体的には、下記のような点が重点的に確認されます。


●経営判断が特定の個人に過度に集中していないか

●重要な意思決定について、牽制やチェックが働く構造になっているか

●問題が発生した際に、誰がどの権限で対応するのかが整理されているか


 

J-Adviser/F-Adviserの役割と関与方法

ガバナンス・組織体制の分野において、プロマーケット市場への上場審査で重視されるのは、この会社が、上場後も安定して意思決定と統制を続けられる構造になっているかという点です。

この確認にあたって、J-Adviser(FPMではF-Adviser)は、制度や規程の有無を個別に点検するというよりも、実際の経営や業務運営の中で、判断・牽制・是正がどのように機能しているかという全体像を見ています。

そのため、経営判断がどこで行われ、どこで確認されているのか」「問題が生じた場合に、誰が把握し、どのように是正されるのか」「組織として判断が属人化しすぎていないかといった点について、
個別のルールではなく会社の運営の仕方として外部投資家に対して説明できる状態かが問われます。

なお、J-Adviser /F-Adviserが具体的な組織体制の設計や運用方法を提示することは想定されていないため、自社の規模・成長段階に応じたガバナンスの考え方があらかじめ社内で整理されていることが、上場適格性を判断する前提となります。

ガバナンス・組織体制面で整備すべき事項

では、具体的に自社で整備・修正対応等が必要となりやすい点はどういった点でしょうか?
ここでは、J-Adviser/F-Adviserへのご相談段階で、企業として大枠を決めておく必要がある整備すべき事項の例をご紹介します。

取締役会・監査役会の設置

プロマーケット市場への上場準備では、取締役会や監査役(監査役会)が、実態としてどのような役割を果たしているのかが確認されます。

重要なのは、「どの事項を取締役会で決定しているのか」「監査役が、経営や業務執行をどのようにチェックしているのか」「会議体が形骸化していないか」といった点です。

単に機関を設置しているだけでは足りず、会社の意思決定に実際に関与しているかがポイントとなります。

コーポレートガバナンスコードの遵守

プロマーケット市場では、一般市場と同様の厳格な適用ではありませんが、コーポレートガバナンスコードの考え方を踏まえた対応が求められます。

次のような点は、他の市場への上場審査の際と同じように対応ができることが前提です。


●ガバナンスに関する基本的な方針を説明できるか

●経営の透明性や説明責任をどのように確保しているか

●形式的な遵守ではなく、自社の規模・実情に応じた対応になっているか


 

内部監査体制の強化

プロマーケット市場への上場準備において内部監査体制を整備する際に重要なのは、形式的な監査機能を設けることではなく、問題や改善点を社内で把握し、是正につなげられる流れがあるかという点です。

実務上は、次のような観点を意識して整理しておくことが求められます。


●内部監査を担う役割(担当者・部署)が明確になっているか

●監査対象や頻度が、会社の規模や事業内容に照らして現実的か

●監査で把握した問題点が、経営層に共有され、対応が検討されているか


専任の内部監査部門を設けることが必須というわけではありませんが、「誰が、何を、どのようにチェックし、その結果をどう活かすのか」という運用を上場審査の際に説明できる状態にしておくことが重要です。

内部監査が単なる確認作業にとどまり、指摘事項が改善に結び付いていない場合には、ガバナンスが実質的に機能していないと評価されやすくなります。

組織設計と責任の明確化

組織設計と責任の明確化において確認されるのは、組織図がきれいに描けているかどうかではなく、日常の業務やトラブル対応において「誰が判断し、誰が責任を負うのか」が分かれているかという点です。

具体的には、整備の際に次のような点を意識しておく必要があります。


●業務ごとに責任者が明確になっており、判断が滞らない体制か

●経営判断と現場判断の線引きが整理されているか

●例外的な判断やトラブルが生じた際の対応ルートが共有されているか


オーナー企業や成長企業では、実態として代表者が多くの判断を行っているケースも少なくありません。
しかし上場準備においては、代表者の判断であっても、それがどのような位置づけで行われているのかを組織全体として説明できなければなりません。

【要チェック】プロマーケット上場で指摘を受けやすいポイント

【要チェック】プロマーケット上場で指摘を受けやすいポイント

ここからはプロマーケット市場への上場に特化して、特に指摘を受けやすい点についての具体例をご紹介します。
指摘後に改善を行う際には多くの時間を要する内容もあるため、早い段階から確認をして改善に向けた対策を検討しておく必要があります。

ポイント①:株式上場に関する管理・戦略策定

株式上場後の株主構成や資本政策について、明確な方針が整理されていない場合、ガバナンス面での懸念として指摘されやすくなります。

上場後にどのような株主構成を想定しているのか、また増資や株式発行を行う場合に誰がどのような判断を行うのかはあらかじめ決めておくことが必要です。

ポイント②:内部統制の強化

内部統制が、「規程として存在するだけ」になっているケースは、実務上よく指摘されます。

上場にあたっては、運用実態や改善状況が実際どうなのかというところが重視されますので、内部統制が日常業務の中で機能していないような場合は、J-Adviser /F-Adviserの審査前までに整備をしておく必要があります。

ポイント③:ガバナンス体制の定期的評価・改善

ガバナンス体制について、一度整えたら終わりになっている場合、上場後の運営に懸念が生じます。

法改正や社内の体制変化に応じて定期的に見直し、改善していく姿勢が求められますので、形式的な運営に陥っているような場合は一定のルールに則って振り返りの機会を設けるなど、評価・改善のサイクルを設けておくことが望ましいでしょう。

Nexill&Partnersでサポートできること

Nexill&Partners Groupでは、法務・労務・会計・税務を横断した視点から、プロマーケット市場への上場を見据えたガバナンス・組織体制の整備を支援しています。

形式論にとどまらず、会社の実態に即した体制整理を行い、J-Adviser/F-Adviser対応を見据えた準備をサポートします。

当事務所の業務範囲の詳細は、各サポート内容ページをご覧ください。

ガバナンス・組織体制の事前整備は当グループにご相談ください

ガバナンス・組織体制は、会社の規模や成長段階によって正解が異なる分野です。
そのため、他社事例をそのまま当てはめるのではなく、自社にとって無理のない形で上場基準を満たす構造を作ることが重要となります。

「プロマーケット上場に向けて、どこまで整えればよいのか分からない」といった段階からでも、ご相談いただけます。

全体像の整理からサポートいたしますので、まずは一度お問い合わせください。

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