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Googleビジネスプロフィールの悪質口コミを削除するには?弁護士に依頼すべき口コミの種類と対応方法

2025.06.25

Googleマップの★評価は検索結果の最上位に表示され、集客や採用を左右します。虚偽や誹謗中傷の口コミを放置すると、売上減や信用失墜が連鎖的に拡大しかねません。本コラムでは、Googleポリシー違反を根拠にした削除申請から仮処分・発信者開示などの法的手段、Googleの口コミ削除についてのよくある質問までを弁護士目線で解説します。

1. Google 口コミが企業に与えるリスク

1-1 検索順位と来店コンバージョンへの影響

Google ビジネスプロフィールの★評価とレビュー件数はローカルSEO指標の上位要素といわれており、平均評価が下がると検索順位やクリック率も落ちるといわれています。

1-2 採用ブランド・IR への波及

近年では、求職者が応募前に Google 口コミを確認していることも増えており、ネガティブな口コミにより採用に支障が出るケースもあるほか、上場企業の場合は従業員満足度・外部評価が株価に影響する場合もあるため、悪質レビューを放置することはリスクであるといえます。

1-3 二次拡散リスク―SNS・まとめサイト経由

ネガティブな口コミがスクリーンショットで X(旧Twitter)やまとめサイトで拡散・転載されると、口コミを削除してもキャッシュや画像が残り続ける、いわゆるデジタルタトゥーと化します。Google 口コミの一次対応が遅れると、ネガティブ情報の拡散半径が指数的に広がる点が最大の怖さです。

2. 削除対象になり得る口コミの判定基準とは?

弁護士に依頼して口コミを削除できるかどうかは、①Google が公表する「コンテンツポリシー」違反に当たるか、②日本の法律(名誉毀損・プライバシー侵害など)の要件を満たすか、という2点が重要となります。以下、削除対象になり得るものと削除が難しいものを挙げています。

2-1 Googleポリシー違反:ハラスメント・偽情報・無関係コンテンツなど

Google は「ローカルサービスに関係ない政治的主張」「病的な差別語や暴力表現」「第三者の住所・電話番号」などを禁止カテゴリに列挙しています。これらに該当する内容を含む投稿はGoogleのポリシー違反となり、スクリーンショットと該当条文を示して削除請求を行えば比較的スムーズに削除される傾向があります。

2-2 日本法における権利侵害:名誉毀損・信用毀損・プライバシー侵害など

「〇〇社は粉飾決算」「社長が横領」など、具体的な事実を挙げて企業の社会的評価を下げれば名誉毀損が成立する可能性があるほか、飲食店で「食中毒を起こした」など虚偽情報を投稿すれば信用毀損罪にも該当し得ます。また個人従業員の顔写真や自宅住所はプライバシー侵害として違法です。このような明らかな権利侵害が認められる場合も、削除請求が認められる場合が多いでしょう。

2-3 真実でも違法となる「過剰な暴露」のケース

内部通報に近い内容でも、従業員の病歴や家族構成など個人の私生活情報を晒す行為はプライバシー権の侵害として削除対象です。公共の利害に関係があっても、必要以上の細部を公開するような場合であれば、たとえ事実であっても削除余地があります。

2-4 削除が難しい“意見・感想”ライン

いくらネガティブな表現であったとしても、「接客が最悪」「給料に見合わない仕事量」など投稿者の主観的な評価は、根拠資料を示しても削除は困難です。ただし過度な汚辱語や差別・ハラスメント表現を伴う場合はGoogleポリシー違反として削除できる可能性があります。

実務上のポイントとして、このような意見・感想に対しては削除請求という手段だけではなく、オーナー返信で事実説明と改善策を示すことでダメージを最小化する方が現実的です。

3. Googleの口コミを削除する方法は?

①Googleのフォームより削除申請を行う

まず初めに着手できるのがGoogleに削除申請を行うことです。

専用のフォームより、以下の点を400字以内にまとめて申請を行い、権利侵害やポリシー違反が認められた場合は投稿が削除されます。

  • 該当する違反カテゴリ(虚偽情報/嫌がらせ/無関係コンテンツなど)
  • 権利侵害の内容と削除申請理由
  • 補強資料(PDF・画像・URLなど)
  • 削除申請を行う際の理由は法的根拠を踏まえて論じることが重要ですので、投稿の内容がどの法律に違反する内容なのかを簡潔に記載することがポイントとなります。

②裁判所を通じた削除の仮処分を申し立てる

Google側が任意の削除に応じない場合は、裁判所に対して投稿の削除を求める仮処分を申し立てることができます。権利侵害の内容とそれを立証する証拠を揃えて裁判所に申立てを行い、削除の仮処分命令が出たらそれを基に再度Google側に削除を申し入れます。

ただし、投稿の内容によっては法的な権利侵害といえないと判断されることもあり、すべてのケースで仮処分が認められるわけではないためそこには留意が必要です。

Google口コミの削除は、証拠の精度と申請理由の法的主張の2点が削除できるかどうかを左右します。悪質な口コミを見つけた場合は、まずはスクリーンショットやオフラインコピーなどで該当の投稿を保存したうえで、速やかに弁護士にご相談ください。フォームからの違反報告からその後の裁判所対応まで、必要な手続きを行います。

4. Googleの口コミ削除に関するよくある質問

Q. 星だけの低評価は削除できる?

A. Google の公式ポリシーには「虚偽のエンゲージメント」を禁止する項目があり、そこでは “星評価のみ(レビューなし)であっても、ビジネスの評価を不当に操作する行為は削除対象” と明記されています。コメントがなくても「営業妨害目的の組織的評価操作」が証拠で示せれば違反報告で削除対象になります。

Q. 投稿から何か月以内に動くべき?

A. IPログはおよそ3か月~6か月で消えてしまうことが多いため、発信者の開示請求を視野に入れるなら3か月以内の着手が望ましいです。投稿の拡散などでの二次被害のリスクもありますので、可能な限り早急に対応するほうがよいでしょう。

Q. 同じユーザーが別URLに再投稿した場合は?

A. “削除済みのクチコミを同一または類似の内容で再投稿する行為は、Googleポリシー違反の繰り返しと見なされるため、最初の削除決定メールを添えて再申請すると即時削除されることが多いです。

Q. 海外VPN経由の投稿も削除対象?

A. アクセス方法(VPN 等)や投稿者の所在地に関係なく、ポリシー違反コンテンツは削除可能ですが、開示請求で IP が VPN 提供国に属する場合は、その国の個人情報保護法やログ保存期間に従うため、特定する難易度が高くなります。

Q. 削除申請を大量に出すとアカウント停止の危険はありますか?

A. 同一企業が短期間で大量に報告しても、虚偽申請でない限りアカウント停止にはなりません。ただし、同じ内容を何度も報告しても処理速度は上がらず、審査優先度が下がることがあるため留意が必要です。

Q. Googleポリシー改定で削除基準は変わりますか?

A. ポリシー改定により削除基準も改定されることがあります。2023年は「AI生成コンテンツ」「医療・健康情報」が厳格化されました。報告を行う前に、最新ポリシーを確認してから申請文を作成することが望ましいです。

Q. 削除申請が繰り返し否認された口コミへの対処は?

A. Google側で任意の削除に応じてもらえない場合は、削除の仮処分申し立てや開示請求での投稿者特定などの裁判手続を検討した方がよいでしょう。Google審査を無理に続けるより法的手段に切り替えた方が早期解決に繋がります。

Google口コミによる風評被害は放置すれば売上だけでなく採用・IRにも連鎖的ダメージを与えます。違反報告で対応しきれない場合は仮処分・開示請求などの法的措置も視野に入れ、削除と再発防止策をワンセットで実施することが重要です。

Google運営への報告から裁判手続まで、弁護士が段階的に対応を行いますので、まずはご相談ください。

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