業種 | 人材紹介業 |
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企業規模 | 従業員10名以下 |
カテゴリ | 企業間紛争 |
担当弁護士 | 中山 恵 |
ご契約方法 | フレックス顧問契約 |
ご相談時のご状況
弊所の顧問先企業様より、裁判所から身に覚えのない利用料金の支払督促が届き、どう対応すればよいかというご相談をいただきました。
支払督促によると、請求内容は、Webサービスの利用料金の未払金額1年分と遅延損害金となっており、約3年前に契約を締結していることになっていました。
しかしながら、こちらの顧問先企業の代表者様は、約1年前に急逝された先代代表から現在の地位を引き継がれたばかりであり、先代代表の頃に締結した契約内容の詳細については把握が難しい状況でした。また、該当のWebサービスは現在使用しておらず、請求書や郵送物などの通知も一切会社に届いていなかったことから、契約が存続しているとの認識自体がなく、身に覚えのない突然の督促に非常に驚かれていました。
しかし、今回の請求を契機に、過去のメール履歴を確認したところ、先代代表と請求企業との間で、先代社長の入院中に、サービス更新に関するやりとりが曖昧なまま残されていたことが判明しました。
現社長としては、支払義務があるものについては誠実に対応したいというご意向がある一方で、会社として資金繰りに慎重な調整が必要な時期であり、一括での支払いが求められると経営上のリスクが大きいという懸念がありました。
解決・改善に向けた当事務所のアドバイス・対応
当事務所では、スポット対応という形ではなく、顧問契約に基づくタイムチャージ方式を取り、毎月の顧問料以上に追加料金を頂かない形で、お客様のご負担を抑えつつ、代理人として対応いたしました。
お客様のご協力のもと、過去の契約経緯ややりとり、資金繰りに関する資料などを丁寧に収集し、契約更新の同意がなされていないことや、サービス継続の意思がなかったことを示す証拠を整理・提出しました。
また、会社の資金繰りの状況についても誠実に説明を行い、最終的には、請求額を大幅に減額する形で、債権者との間で和解に至ることができました。
ご相談をいただいたのは2024年6月でしたが、年内に問題を収束させることができ、早期かつ円満な解決につながりました。
適正な事業運営にあたってのポイント
今回のような突然のトラブルや、前任者の対応が不明瞭なまま放置されていた契約に関する事案でも、早期にご相談いただければ、必要な証拠の確保と交渉により、会社のリスクを最小限に抑える対応が可能です。
今回ご依頼頂いた企業様においては、現在、BtoB契約の締結前に、原則として全件、当事務所によるリーガルチェックを行っていただいており、将来的なトラブルの予防体制が整備されています。
本件で資金繰り状況を詳しく把握できたことを契機に、弊所のグループ法人の社労士事務所から、経費削減につながる企業年金制度の導入も提案させていただき、労務面・財務面両面での体制強化につながっています。