業種 | 不動産業 |
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企業規模 | 個人 |
カテゴリ | 建物明渡し |
担当弁護士 | 久富 達也 |
ご契約方法 | スポット |
ご相談時のご状況
ある賃貸物件の管理会社より「長期間にわたり問題行動が続いている賃借人に対し、契約の解除および明渡しを求めたい」とのご相談をいただきました。
当該賃借人は、賃料等の支払いも滞っていただけでなく、以前から管理会社とのやり取りにおいて違和感のある言動がみられ、玄関扉やドアの改造をするといった異常な行動も確認されていました。このようなことから、総合的にみて契約関係の継続は困難ではないかと考えておられました。
そして、物件の維持管理や他の入居者への影響、さらには今後の空室リスクなども踏まえ、「このままでは空室が増えるおそれがあるため、契約を解除して明渡しを求めたい」との強いご意向があり、当事務所にご依頼をいただくに至りました。
解決・改善に向けた当事務所のアドバイス・対応
まずは任意での退去を促すため、当事務所から賃借人宛に内容証明郵便を発送しました。通知書では、長期にわたる賃料滞納や物件の無断改造といった契約違反を理由に、賃貸借契約を解除するとともに、指定期日までに退去するよう求めました。また、明渡しに応じない場合は訴訟等の法的措置をとる方針であることも併せて通知しました。
しかしながら、賃借人からは退去の意思も連絡もなかったため、依頼者のご意向を踏まえ、建物明渡請求訴訟を提起しました。訴訟では、通知書の内容に基づき、賃貸人・賃借人間の信頼関係が破綻していることを根拠に明渡しを請求したところ、裁判所も当方の主張を認め、明渡しを命じる判決が下されました。
また、判決確定後も賃借人が任意での退去に応じなかったため、当事務所にて建物明渡しの強制執行申立てを行い、執行官と連携のうえ、明渡しを実施しました。最終的には、執行により建物の明渡しが完了し、依頼者のご不安も解消される結果となりました。
適正な事業運営にあたってのポイント
賃貸物件の運営においては、契約書の整備だけではカバーしきれないトラブルが発生することも少なくありません。特に、賃借人の行動により、他の入居者に迷惑がかかり、物件の管理に支障が生じ、物件全体の価値が下落するといった影響が及ぶ場合、早期に対応方針を定めることが重要です。
本件のように、賃料の滞納や物件の無断改造といった契約違反が重なり、任意の話し合いによる解決が難しいと判断された場合には、速やかに法的措置を検討する必要があります。対応が遅れることで、物件全体の運用に支障が出たり、空室リスクが高まったりするおそれもあります。
当事務所では、賃貸借契約に関する様々な相談への対応はもちろん、トラブルの予防段階からのアドバイスや、万一の際の関係者との協議や訴訟・執行手続まで一貫して対応が可能です。
少しでも違和感を覚えたときは、ぜひお気軽にご相談ください。