| 業種 | 製造業 |
|---|---|
| 企業規模 | 従業員50名以下 |
| カテゴリ | 企業間紛争 |
| 担当弁護士 | 中山 恵 |
| ご契約方法 | フレックス顧問契約 |
ご相談時のご状況
顧問先様は医療機関向け機器を取り扱う法人であり、当該機器の販売先企業より、「機器の記録データに不備がある」との指摘を受け、先方社内で深刻な問題に発展しているとのご相談を受けました。販売先からは、医療機関や利用者から損害賠償請求がなされる可能性や責任追及が及ぶ懸念が示され、顧問先様として法的責任が生じるのか、その範囲や販売先との責任分担をどのように整理すべきかについてご相談をいただきました。
解決・改善に向けた当事務所のアドバイス・対応
当事務所で事実関係を精査したところ、本件の本質は「機器の故障」ではありませんでした。すなわち、今回の問題は、機器をエンドユーザー(利用者)に届ける販売先企業において、この製品の特性に関する説明が十分になされていなかった点にあり、当該特性を理解して適切に使用すればエラーは生じない事案でした。
製造物責任法上、製品に物理的な故障や構造上の欠陥がなくても、使用方法や警告表示が不十分であれば「指示・警告上の欠陥」として責任を問われる可能性があります。しかし本件では、顧問先企業は販売先へ十分な情報提供を行っていました。一方で、販売先から医療機関や利用者への説明や情報伝達プロセスに不備があった可能性が認められました。このような事情から、本件は製品自体に構造上の不具合がある事案ではなく、使用方法に関する説明や情報提供の在り方が問題であると整理しました。
事案の性質や発生状況、これまでの情報共有の経緯などを踏まえれば、直ちに顧問先様が全面的な責任を負う構造ではないこと、仮に損害が問題となる場合でも、関係当事者間での役割や関与の程度を踏まえて責任の所在を検討すべき事案であることを助言しました。
また、今後の対応方針として、法的評価が確定していない段階で一方的に責任を認めることは避けつつ、事実関係を整理した上で、必要に応じて協議により解決を図る姿勢を示すことが重要であると助言しました。その上で、法的リスクを適切に管理し、過度な責任拡大を招かないための実務上の対応の在り方についても提案しました。
適正な事業運営にあたってのポイント
医療関連機器においては、製品の安全性のみならず、使用方法や注意事項の表示内容も重要なリスク要素となります。通常予見される使用形態を前提とした適切な警告表示や取扱説明書の整備、販売先との情報共有体制の構築、責任分担を見据えた契約内容の整備は、紛争予防の観点から不可欠です。製品に関する法的リスクは、問題が顕在化してからでは対応が難しくなることも少なくありません。問題が顕在化する前の段階から体制を見直し、早期に専門家へ相談することが将来的な紛争リスクの低減に繋がりますので、お困りの際はぜひご相談ください。
