解決事例一覧

M&Aに向けての法務・労務のデューデリジェンスを行った事例

2025.12.18
企業規模 個人事業主
カテゴリ M&A・デューデリジェンス
担当弁護士 中山 恵
ご契約方法 スポット

ご相談時のご状況

相談者様は、ある企業のM&Aを検討しており、契約締結に先立って対象会社にどのようなリスクが存在するかを把握したいとのご希望がありました。対象会社は一定の事業規模を有していたものの、買収後に予期しない負債や紛争リスクが顕在化することを避けるため、株主の地位の正当性、許認可・業法規制への適合性、資産・負債の状況、主要取引の内容、労務管理、未払残業代シュミレーションなど、複数の重要領域についてデューデリジェンスの実施を依頼されました。

解決・改善に向けた当事務所のアドバイス・対応

当事務所では、M&Aに伴う法務・労務デューデリジェンスを進めるにあたり、まずは調査項目に応じた資料提出リストとヒアリングシートを作成し、対象企業に対し、必要な情報・資料の提供を依頼しました。そして、対象会社から提出された資料や回答内容を基に精査を行い、潜在的なリスクや確認すべき論点の洗い出しを進め、調査の過程で追加の確認が必要となった事項については、資料の追加取得や質問を行い、情報の精度を高めながら実態把握を進めていきました。調査結果は報告書として取りまとめ、相談者様との報告会にて、判明したリスクや今後の対応方針について説明を行いました。
例えば、今回の対象会社は農場を経営している会社であったところ、デューデリジェンスの結果、農場の土地建物の所有名義が個人と会社で混在していたり、親族名義の不動産が混じっていたり、未登記の建物が含まれている状況であることが判明したため、M&Aにあたっては、未登記の建物を買い取るリスクや、親族を含めた所有名義人からの買取手続を行う必要性がある等、法的リスクや必要な手続について助言を行いました。
また、対象会社は従業員との間で雇用契約書を取り交わしておらず、就業規則の内容についても一部不備があったため、雇用契約書の取り交わしや就業規則の是正案についてもアドバイスを行いました。
その後、相談者様がM&Aを実施することを決定されたため、譲渡契約書のリーガルチェックも併せて行い、契約内容に潜在するリスクの確認と必要な修正提案を実施しました。

適正な事業運営にあたってのポイント

M&Aでは、買収後に予期せぬ債務や契約上の問題が判明すると、企業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、対象会社の法務・労務面に潜在的するリスクを事前に把握するデューデリジェンスの実施は不可欠です。買収前にリスクを把握しておくことで、買収条件の調整や表明保証事項の設定、交渉方針の決定など、適切なM&A実行のための判断が可能になります。また、調査を通じて、買収後の統合プロセスを円滑に進めるための課題や改善点を明確にすることにもつながります。
M&Aをご検討の際には、早い段階から専門家にご相談いただくことで、より安全で実効性のある取引の実現に近づくことができます。ご検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。

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